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注意!!がん/胃潰瘍/結石はカード付帯保険の対象にならない可能性あり

 2019/11/29 カード保険の注意点/危険性
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カード付帯保険では保険対象外になる可能性のある病気(がん/胃潰瘍/結石など)

カード付帯の海外旅行保険があって、持病/既往症ナシなら、何の病気になっても保険でカバーされると思っていませんか?

私も、正直、そう思ってました。

よく調べたところ、違うんです(汗)。特に「がん」や胃潰瘍、糖尿病などは、注意が必要。

海外旅行保険でカバーできない病気があることがわかったので、注意喚起として、ここに記事として、まとめておきます。

シンガポールの日本人向け保険では、180日間、保険対象外の病気がある

きっかけは、読者さんからいただいた質問でした。

質問です。シンガポール居住者専用の損保ジャパンの海外旅行保険では、↓これらの病気が、保険期間初日から180日間、保険対象外になります。カード付帯保険は、どうなっていますでしょうか?

●内臓の腫瘍
●皮膚/筋組織/骨の腫瘍
●血液/骨髄の悪性腫瘍
●白内障
●結核
●胆石
●腎結石/尿路結石/膀胱結石
●高血圧
●心血管疾患
●胃/十二指腸潰瘍
●糖尿病

「180日間は保険対象外」というのは、がん保険などによくある「待機期間」というもの。待機期間は、自覚症状なしにがんになっていた人が保険金を請求することを防ぐためのものです。

でも、カード付帯保険の説明では、↑こういう具体的な病名や、待機期間が書いてあるのを、私は見たことがありません。(持病の保険や歯の保険ならありますね)

そこで、いくつかのカードの保険デスクや保険代理店に問い合わせをしてみました。すると、わかってきたのが、↓以下のことです。

日本の海外旅行保険では、旅行開始前に発病した病気は対象外

いくつか問い合わせをしてみましたが、やはり、カード付帯保険を含む「日本の海外旅行保険」には「待機期間」はありませんでした。

ただし、代わりのものがあります。それは、日本の海外旅行保険の対象となる病気は「旅行期間内に発病した病気に限定されている」ということ。

実際には、↓このような感じで書かれています。

楽天カード
「※ その(疾病の)原因が旅行期間開始前または旅行期間終了後に発生したものは除きます。」
出典:海外旅行傷害保険ガイド
エポスカード
「旅行開始前または旅行終了後72時間以上経過後に発病した病気。」
出典:公式サイト「保険金をお支払いできない主な例」

↑これ、重要なポイントは、旅行中に「疾病の原因が発生」したり、「発病」したりしている病気が対象であることです。

病気の発覚が旅行中でも、原因が旅行前だとダメなのです。

以上は、原則です。

では、実際はどうなっているのか、調べてみました。

実際は支払われているっぽい?

保険会社の過去の支払いデータ

がんや結石などに対して、保険金が支払われている事実があるかどうか、まず、保険会社の過去データを調べてみました。↓こちらです。

ジェイアイ傷害火災の海外旅行保険の
300万円以上の高額医療事故データ

がん(腫瘍)
胸のしこり…悪性腫瘍(2015年度)
膵腫瘍(2015年度)
舌の腫瘍(2008年度)

結石・胆石
総胆管結石(2018年度)
腎臓結石・尿管結石(2016年度)
胆石(2013年度)
尿管結石(2006年度)

潰瘍
胃潰瘍(2014年度)

心疾患
心不全(2017年度)
心不全(2017年度)
急性心不全(2016年度)
心不全(2016年度)
うっ血性心不全(2016年度)
急性心不全(2016年度)
心不全(2015年度)
心不全(2015年度)
心筋梗塞(2015年度)
心臓弁膜症(2015年度)
心筋症(2015年度)

↑こう見ると、支払われてますね???

でも、ひょっとすると、↑この全てが、旅行中に病気の原因があったことを確認してから、保険金が支払われたのかもしれません。そう考えると、安心はできません。

海外生活が長い方々に聞いてみた

次に、海外生活が長い方々に質問してみました。

のむてつ
今まで、がんで医者にかかったことがない人が、がんが海外で発覚したけど、海外旅行保険の対象外とされたケースって聞いたことがありますか?
海外生活の達人A
持病じゃない人でしょ?がんで海外旅行保険を使えた人はいても、持病じゃなくて使えなかった人は、今まで聞いたことないです。
海外生活の達人B
そんなの聞いたことがない。がんが既往症や持病じゃない人なら、当たり前に海外旅行保険の対象でしょ!

私も、この時点では、同意見でした。
「心配したけど、やっぱり大丈夫なのかもな〜」と安心しかけてました。

ところが。

あるカードの保険デスクが社内で調べた上で折返し回答をくれたのと、海外の現地アシスタンス会社の方からも話を聞くことができたのです。

あるカードの保険デスクと、海外の現地アシスタンス会社の方の回答

保険デスク(=保険会社)の回答

あるカードの保険デスクに問い合わせてみたところ、確認して丁寧に回答をくれたところがありました。その回答が、↓これです。

ある保険デスクの回答

原則、「旅行開始後に発病した病気が対象」です。例えば、がんで今まで病院にかかったことがなく、海外旅行開始後に症状が出て、がんが判明した場合、補償対象となることが多いです。

ただし、その場合、保険会社は、【診断書】と【既往症でないことの証明】も求める場合があります。最終的には、ケースバイケースで保険会社の判断です。必ず補償されるとは言えません。

そして、保険会社に提出する病気の診断書には、「いつ発症したか?」を書く欄があるとのこと(別の保険代理店さん談)。

医師が書く診断書に「発症日」の欄があるなら、それは動かぬ証拠になります。保険会社は、その日付を見て、単純に、日本出国日より前なのか後なのかを判断するだけです。

海外の現地アシスタンス会社さん「キャッシュレスを断るケースがある」

海外の現地アシスタンス会社の方(=日本の保険会社と現地病院との間のサポートをする人)からも話を聞けました。

海外の現地アシスタンス会社の人の回答

がんは、いつが発症かを断定するのは難しいです。有料の保険をお持ちで1年くらい海外にいる人に、初めてがんが発覚したなら、保険会社が保険対象として認める確率は高いと思います。でも、カード付帯保険を使うような短期滞在の人だと、厳しいですね。

もうちょっと具体的に尋ねてみました。

のむてつ
例えば、1週間の海外旅行中にがんが発覚し、ステージ4だったら、海外旅行保険でカバーされますか?

すると、回答は、↓こうでした。

アシスタンス会社の人
厳しいですね。1週間で、がんがステージ4まで進行することは少ないので。その場合は、キャッシュレス診療も難しいです。病院で、まずご自分で支払って、後日、保険会社に請求するようにお願いしています

やはり、がんなどの特定の病気は「日本出国から何日経過しているか」がポイントになるようです。日本出国からの日にちが短ければ短いほど、保険対象外になる可能性は高くなる、ということです。

では、日本出国から何日なら、がんは保険対象か?

では、がんなどの病気は、日本出国から何日なら海外旅行保険の対象になるのでしょうか?

一般論で言うのは、非常に難しいのですが、一つ、客観的な事実としては、「一般的な日本の『がん保険』では待機期間は90日」というのがあります。がんに対しては、90日というのが、一つの目安になりそうです。

つまり、日本出国から3ヶ月以内の、がん発覚(そして初診)は、海外旅行保険の対象外にされる可能性がある、ということ。

逆に言えば、日本出国から3ヶ月以上経ったあとの、がん発覚(そして初診)なら、海外旅行保険で補償される可能性は高い、と言えますね。

もちろん、最終的にはケース・バイ・ケースなので、あくまで目安です。

怖い結論。がんはカード付帯保険の対象外になる可能性が高い

情報を総合します。

●がんは、3ヶ月は保険対象にならないのが普通
●カード付帯保険の保険期間は、ほとんどのカードが3ヶ月間

 ↓

これ、怖い結論になってしまいます。

つまり、がんはカード付帯保険では保険対象外になる可能性が高い。

もしくは、

がんは、カード付帯保険では保険対象外と言われても文句が言えない。

ということになります。

もちろん、最終的にはケースバイケースですよ。全てがダメ、というわけではないです。理屈で考えると、そうなるというだけです。

利用付帯裏技でもダメ

「じゃあ、利用付帯裏技の期間なら大丈夫かも?」と思った人、私と同じ思いつきですが、残念ながら、ダメでした(涙)。

利用付帯保険の場合は、保険対象となる病気は「保険の補償期間内に発症した病気」となっています。つまり、そのカードの保険期間である3ヶ月間に発症した病気しか、保険対象ではありません。

例えば、1月1日に日本出国して、4月1日に利用付帯を有効にした場合、その利用付帯保険の対象になる病気は「4月1日以降に原因がある病気」のみです。

なので、利用付帯裏技の場合は、そのカードの「保険の補償期間開始から何日経っているか?」がポイントになり、「がんは3ヶ月は保険対象にならないのが普通」という考え方と総合すると、やはり、がんは保険対象外と言われても文句が言えない、ということになります(涙)。

がん以外にカード付帯保険の対象外を気をつけるべき病気

がんと同じように、カード付帯保険の対象外になってしまう可能性がある病気としては、最初のシンガポールの保険が参考になると思います。

もう一度、ここに書くと、↓これらの病気ですね。要注意です。

カード付帯保険の対象外になる可能性がある病気
●内臓の腫瘍
●皮膚/筋組織/骨の腫瘍
●血液/骨髄の悪性腫瘍
●白内障
●結核
●胆石
●腎結石/尿路結石/膀胱結石
●高血圧
●心血管疾患
●胃/十二指腸潰瘍
●糖尿病

↑がんのように「90日」という目安はありませんが、これらの病気も、海外旅行保険の対象外になる可能性があることは、覚えておいてください。

以上です。

カード付帯保険は、便利なのですが、万能ではありません。今回、新たにカバーできない限界が判明した、という感じです。

私も正直、「がっかり…」という気持ちが多いです。。。う〜む。

これはもう、「もらえない保険金をもらえると思い込んで、実際に病気になったときに真実を知って愕然とするよりはマシ」と考えるしかないですね(涙)。

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のむてつ

のむてつ

元高校教師。公務員を辞め、上海に渡り起業。上海生活7年(現在日本)、国際結婚歴17年(2007年〜)、海外ビジネス歴21年(2003年〜)。もともと自分のために調べ始めたカード付帯保険ですが、ブログでまとめるようになって20年(2004年〜)。2024年末で、読者からいただいた相談数が1,400件を超えました。今も海外滞在者の役に立つよう、情報を集め続けています。

2019年6月 マレーシアナビ カード保険セミナー
2019年6月 マレーシア在住者向け勉強会
2018年8月 マレーシアナビ カード保険セミナー
2018年8月 マレーシア在住者向け勉強会
2018年8月 カード保険勉強会@ペナン島
2018年4月 マレーシアナビ カード保険セミナー
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