海外保険付帯カードのキャッシュレス診療サービス利用法(上乗せの場合)と注意点
※このページでは、医療費キャッシュレスサービスの、複数のカード付帯保険を合算する手順を解説しています。基本的なキャッシュレスサービスの使い方に関しては、↓こちらの記事をご覧ください。
Contents
医療費キャッシュレスサービスのときもカード合算は可能?
海外旅行保険付きクレジットカードでキャッシュレスサービスを利用する場合に関して、こんな質問をいただきました。
私も実際に、1社の支払限度(補償限度)を超えたことがなかったので、カードの保険デスクに聞いて調べてみました。
結論としては、キャッシュレスの場合も、問題なく合算は適用されるとのこと。
ただし、もう一つのカードのほうも、その場でキャッシュレスが可能かどうかは、引受保険会社や、そのときの状況によります。
では、大まかではありますが、↓この3つのパターンにわけて解説します。
●1枚の付帯保険で足りる場合
●1枚では不足で2枚目の付帯保険も必要な場合(2枚の引受保険会社が同じ)
●1枚では不足で2枚目の付帯保険も必要な場合(2枚の引受保険会社が違う)
※カードの引受保険会社は、一覧表に記載しています。⇒保険付帯カード比較表
1枚の付帯保険で足りる場合
1枚の付帯保険の補償額内で支払いが済んでしまう場合は、簡単です。
たとえば、保険金の限度額が200万円で、かかった医療費が100万円だった場合など、ですね。
この場合、保険付帯カードを複数枚持っていたとしても、実際には、1つのカード会社に連絡をして、病院を手配してもらって、キャッシュレス診療を受けるだけでOK。それだけで終わりです。
保険会社から「他に有料保険や、保険付帯カードを持っていますか?」と尋ねられることもありますが、尋ねられずに終わることもよくあります。
1枚では不足で2枚目の付帯保険も必要な場合(2枚の引受保険会社が同じ)
次に、1枚の付帯保険では不足する場合を見てみましょう。1枚目のカードと、2枚目のカードの付帯保険の引受保険会社が同じ場合も、結構簡単です。
①1枚目の保険デスクに連絡し、キャッシュレス病院を手配してもらう
②診察してもらい1枚のカード保険では不足することが発覚
③再度、同じ保険デスクに連絡し、2枚目のカード情報を伝える
※カードの引受保険会社の一覧はコチラ⇒保険付帯カード比較表
↑これだけです。
各カードの「保険デスク」は、引受保険会社が運営しています。なので、カード会社が違って保険デスクの電話番号が違う場合、ぜんぜん違うところに電話している気がしますが、実は、引受保険会社が同じ場合は、同じ会社内にあるわけです。
ですので、こういう場合は、1つの保険デスクに連絡すれば、複数のカードの本人確認が可能です。助かりますね。
1枚では不足で2枚目の付帯保険も必要な場合(2枚の引受保険会社が違う)
1枚の付帯保険では不足する場合で、1枚目のカードと、2枚目のカードの付帯保険の引受保険会社が違う場合は、少しだけ手間が増えます。
①1枚目の保険デスクに連絡し、キャッシュレス病院を手配してもらう
②診察してもらい1枚のカード保険では不足することが発覚
③もう1枚のカードの保険デスクに自分で電話(もしくは病院が電話)、引き続きキャッシュレスで診てもらえるよう依頼
※カードの引受保険会社の一覧はコチラ⇒保険付帯カード比較表
↑③の「自分で電話(もしくは病院が電話)」というのがポイントですね。カード付帯保険は利用のためには本人確認が必要なので、保険デスクが代わりに別の保険デスクに電話する、ということは、やれないんだそうです。
その病院が2枚目のカード付帯保険の提携病院じゃなかった場合
万が一ですが、その病院が、1枚目のカードの提携病院ではあるが、2枚目のカード付帯保険の提携病院ではなかった場合も、あるかもしれません。
そのときは、少し面倒になります。1枚目のカード付帯保険の限度額まではキャッシュレスで対応してもらい、超える分に関しては支払いが必要になるからです。
2つの方法があります。
方法1
不足分を一旦、自己負担で立て替え払いし、その後、保険会社に保険金請求する
方法2
病院と交渉し、その場では支払わず、病院に後払いの請求書を出してもらう。そして、その請求書を保険会社に提出し、保険会社から直接支払をしてもらう
では、カードは、引受保険会社が同じのものばかりを揃えるべきか?
上で、引受保険会社が異なるカードを持っている場合、少し手間がかかる、という話をしました。では、面倒を避けるために、引受保険会社が同じのカードばかりを揃えるべきなのでしょうか?
私は、その考え方には反対です。引受保険会社をバラバラにすることのメリットもあるからです。
保険会社もそれぞれ独自の考え方を持っています。そのため、「この保険会社だとダメだけど、この保険会社ならOK」ということも、よくあります。ですので、保険付帯カードを複数持つなら、引受保険会社が違うものを持ったほうが得することもあります。
ですので、理想はバランスを取ること。1枚目と2枚目を同じにして、3枚目は別の保険会社にする、というくらいが、ちょうど良いと思います。
では、病院は「自分の全ての保険と提携している病院」を選ぶべきか?
質問をいただきました。
いや〜、難しいご質問です。
回答としては、↓こうですね。
提携病院であることに、こだわりすぎると、治療が遅くなったり、医療レベルが下がったりすることも考えられます。
1つの保険で提携病院じゃない病院だったとしても、そこまで最悪の事態になるわけではありません。
他の保険はあるので、病院で門前払いされることはありませんし、一旦、自分で立て替え払いは必要ですが、保険金請求をすれば、保険金はおります。
また、手持ちのお金で払えない分は、カード払いができるかもしれませんし、上で書いたように保険会社に請求書を回せる可能性もあります。
なので、「3つとも提携している病院じゃないと!」と必死になる必要はない、ということです。
大事なのは、保険デスクに「別の保険も持ってるよ」と伝えておくこと
上記のそれぞれのケースは覚えておく必要はありません。大事なのは、「保険デスクに、他に、カード付帯保険があることを伝えておく」ということです。伝えてさえあれば、保険デスクが、そのときに適切な対応を教えてくれるはずですので。
たまにですが、保険会社が現地で雇っている通訳やエージェントが、いい加減な人の場合があり、情報がちゃんと伝わっていないときなどもあります。現地通訳やエージェントは、日本の保険会社とは別の会社の人であることがほとんどです。
また、通訳・エージェントが現地の人の場合、日本のカード付帯の保険事情に詳しくなくて当然です。そうすると、1人の人がそんなに沢山の保険を持っているなんて想定外ですので、聞き忘れがちです。(私も上海では聞かれたことは、ありませんでした)
なので、ちゃんと情報が伝わるように、できるだけ複数の人に、(できるだけ日本人に)、他に保険があることを、伝えておくこと。そうすれば、余分なトラブルや心配を避けられると思います。