イオンゴールドカード海外旅行保険の注意点←海外生活者の観点から
イオンゴールドカードの付帯保険は、2019年4月から変更になりました!
主な変更点は、
●自動付帯⇒利用付帯(裏技不可)
●治療費用限度額が300万にアップ
●その他の限度額も大体アップ
などで、「改善」と言えると思います。
イオンゴールドカードは、「年会費無料のゴールドカードで海外旅行保険付き!?」と期待してしまうカードなのですが、海外保険が最長30日間だったり(他の多くのカードは90日間)、キャッシュレス診療不可だったり、注意が必要な部分もあります。
下で詳しく解説します。
※イオンゴールドカードは、条件を満たした人だけが作れる特殊なカードです。まずはイオンカード会員になり、年間100万円のカード利用の条件を満たした人だけがインビテーション(招待状)をもらえます。
Contents
まず結論
イオンゴールドカードの海外旅行での評価について、結論(ポイント)をまとめておきます。
イオンゴールドカードの良いところ
年会費無料
海外旅行保険は治療費用限度額が300万と高い
イオンゴールドカードの悪いところ
条件を満たしていない人はカード発行できない
海外旅行保険が利用付帯
利用付帯は国内支払いのみ(=利用付帯裏技不可)
海外旅行保険が最長30日間と短い(普通は90日間)
キャッシュレス診療は不可
単身者向け。家族特約ナシ。家族カードは作れる
飛行機遅延/欠航・ロストバゲージ保険は無い
イオンゴールドカードは、こんな人向け
●年会費無料が好きな人
●1ヶ月以上の海外旅行をしない人
●単身者もしくは、18歳未満の子供と旅行しない人
●海外旅行をする予定の18歳以上の家族がいる人
イオンゴールド付帯の海外旅行保険の補償限度額
保険は利用付帯で、期間は最長30日。
傷害死亡/後遺障害 5000万
傷害治療 300万(1回の事故につき)
疾病治療 300万(1回の病気につき)
賠償責任 3000万(1回の事故につき)
携行品損害 30万 (1年でリセット)
救援者費用 200万(1年でリセット)
飛行機遅延/欠航 なし
ロストバゲージ なし
(引受保険会社は、あいおいニッセイ同和損保)
カード付帯の海外旅行保険を選ぶとき、一番重要なのは、一番使う確率の高い、病気ケガの治療費用の補償額です。それが、イオンゴールドカードでは300万円。
治療費用300万円という数字は、他の年会費無料カードではありえない良い額なので、これははっきりと、イオンゴールドカードのメリットと言えます。
イオンゴールドカードセレクトも海外旅行保険は同じ
イオンゴールドカードには、イオン銀行発行のイオンゴールドカードセレクトもありますが、こちらも海外旅行保険の内容は同じです。
[注意]保険適用条件が「利用付帯」とは、どういうことか?
2019年4月から、イオンゴールドカードの保険が変更となり、海外旅行保険が『利用付帯』となりました。
利用付帯とは、つまり、イオンゴールドカードの海外旅行保険を有効にするためには、「海外への出国前に、パッケージツアーの旅行費か、または旅行に行くときの公共交通機関をイオンゴールドカードで支払うことが必要」というものです。
しかも、イオンゴールドカードの利用付帯は、他の利用付帯カードよりも条件が厳しく、「必ず出国前にカード支払いが必要」となっています。海外に行ってからのカード利用ではダメです。この点は、他の多くの利用付帯カードと違うので、注意が必要です。
条件がなく、海外へ行くと自動的に保険が有効になるカード(=自動付帯のカード)が多い中、利用付帯であるイオンゴールドカードは、比較すると少し使いづらいカードと言えます。
イオンゴールドカードに、プラスどれだけで海外旅行保険は十分か?
ハッキリ言えば、イオンゴールドカード1枚の保険だけでは足りません。
足りるか足りないか、で問題となる項目は、
●疾病・傷害治療費用の額
●救援者費用の額
の2つです。その中でも疾病・傷害治療費用は、風邪や腹痛でも使う可能性があり、一番使う確率が高いので最重要。
その治療費用で、必要額を考えてみると、大雑把な額ですが↓こんな感じになります。
●アジア 300〜500万⇒カード2,3枚
(台湾300万、香港400万、シンガポール500万)
●ヨーロッパ 400〜600万⇒カード2,3枚
●オーストラリア 400万⇒カード2枚
●アメリカ(ハワイ含む) 1000万以上⇒カード5枚
(グアム・サイパンは400万くらい)
という感じです。なので、イオンゴールドカード1枚の付帯保険だけでは「アジアでギリギリ保険金が足りる」というレベルなのです。ですので、他のカード付帯保険も使って上乗せする必要があるんですね。上乗せについては、↓次に、説明します。
足りない分は、他のカード付帯保険との合算でカバー
イオンゴールドカード1枚だけの付帯保険では少し不安なので、他の保険付きクレジットカードを持ち、保険を上乗せさせます。
海外旅行保険付きのクレジットカードを2枚以上持っていた場合は、それぞれの項目の補償限度額が合算されるのです!(ただし傷害死亡/後遺障害の項目は合算されない)
具体例で見てみましょう。イオンゴールドカードと、エポスカードを選ぶとします。
↓表で見ると、補償額はこんな感じに合算されます。
イオンゴールドカード | エポスカード | → | 合算結果 | |
---|---|---|---|---|
保険期間 | 30日 | 90日 | ||
条件 | 利用付帯 | 自動付帯 | ||
傷害死亡 /後遺障害 |
5000万 | 500万 | → | 5000万 |
傷害治療 費用 |
300万 | 200万 | → | 500万 |
疾病治療 費用 |
300万 | 270万 | → | 570万 |
賠償責任 | 3000万 | 2000万 | → | 5000万 |
携行品損害 | 30万 | 20万 | → | 50万 |
救援者費用 | 200万 | 100万 | → | 300万 |
※「傷害死亡/後遺障害」の項目だけは合算されず、高い金額のほうが上限になる。
↑この合算後の額なら、アジア旅行なら、一応、安心できますね。もう少し保険金があったほうが安心という人は、保険付帯カードをさらにもう一枚作っておくと、さらに上乗せになります。合算&必要な保険額に関しては、↑こういう感じで考えてください。
ちなみに、合算させる目的でカードを選ぶなら、保険が自動付帯のカードのほうが余計な手続き不要なのでラクです。
また、イオンゴールドカードは、国際ブランドをVISA・マスター・JCBの3種類から選べるので、上乗せ用のカードは、イオンゴールドカードの国際ブランドとは別のものを選ぶのがオススメです。海外ではVISAしか使えない店や、マスターしか使えない店、などがあるからです。
年会費無料や年会費の安いカードを探しているなら、こちらの比較表から探してみてください。⇒クレジットカード海外旅行保険比較表(80種以上)
イオンゴールドはキャッシュレス診療ができない
※イオンゴールドは2019年4月の変更で、キャッシュレス診療が使えなくなりました
キャッシュレス診療とは、「キャッシュレス・メディカルサービス」とか、「医療費キャッシュレスサービス」だとかの呼び名があるのですが、すべて同じです。要は、「現地の病院にかかったときに、保険会社が直接、病院に支払いをしてくれて、自分で支払いをしないで済む」というサービスです。
あると便利なのですが、残念ながらイオンゴールドカードでは、このサービスが使えません。ですので、現地の病院では一度自分で支払いをし(立て替え払いをし)、その後、カード会社(保険会社)に領収書などと一緒に申請をする、という手続きが必要です。
まあ、でも、キャッシュレス可能なカードでも、保険会社との提携病院がない場所(たとえば田舎など)では、キャッシュレス診療は不可です。ですので、割り切るのもアリだと思います。
[使い方コツ1]イオンゴールドはキャッシュレス可のカードの上乗せに使う
イオンゴールドは、キャッシュレス診療不可なのですが、使い方によっては、そこまで不便はありません。ここでは使い方のコツを紹介。
まず1つめの使い方のコツとして、「イオンゴールドを上乗せカードとして使う」というのがあります。もう一枚のカードをキャッシュレス可能なカードにしておけば、そのカードの保険の範囲内でキャッシュレス診療は受けられるので、ほとんど問題が起こらない、というわけです。
具体的に言うと、こうです。単純なケースとして、↓こういう2枚の組み合わせでカードを持っていたとします。
●楽天カード(治療費用限度額ケガ200万・病気200万・キャッシュレスOK)
●イオンゴールド(治療費用限度額ケガ300万・病気300万・キャッシュレス不可)
これで海外でケガをしたとして、病院にかかるとします。すると、多くの場合は治療費用は200万以下なので、キャッシュレスOKの、楽天カードの保険デスクに連絡するだけで、こと足りるというわけです。
[使い方コツ2]イオンゴールドは病院支払に備え利用限度額を上げておく
2つめの使い方コツとして、「利用限度額を上げておく」というのがあります。
最近の海外の病院では、カード支払いOKという病院が多いです。ですので、現金を持っていなくても、クレジットカードを持っていれば診てもらうことができます。病院にかかったら、
①現地病院でカード決済し、
②その後、保険会社に保険金請求し、
③保険会社から保険金を受け取る
④もらった保険金を銀行口座に入れて、カードの引落しに使う、
という流れにすれば、現金を準備する必要はありません。
ですので、このコツのポイントとしては2つですね。
1.病院にかかるときは、カード払いOKの病院を調べてから行く
2.カードの支払い限度額を上げておく
イオンゴールドカードの評判の良い特典
イオンゴールドカードのその他の評判が良い特典を見てみましょう。
家族カードを3枚まで発行可能
18歳以上の家族には、家族カードを発行できます。3枚まで発行可能。家族カードを作った家族は、本会員と同じ海外旅行保険が付いてきます。
家族カードも年会費無料。そして、海外旅行保険の治療費用限度額が300万円と高いので、1ヶ月以内の海外旅行へ行く家族に持たせるには非常に良いなカードです。
留学にも使える(外国語の付保証明書を発行可能)
外国のビザ取得や、留学するときに、カード付帯保険の付保証明書(カードに保険が付いていることの証明書)の提出が必要な場合があります。
イオンゴールドカードでは、英語の付保証明書が発行できるので、留学にもバッチリ使えます。(発行手続きは1~2週間程度)
ショッピング保険は年間300万円まで
イオンゴールドカードには、ショッピングセーフティ保険も付いています。保険金の限度額は年間300万円まで。イオンゴールドカードで買った商品(1品5,000円~300万円)が偶然の事故により損害を被った場合に、購入日から180日間、年間300万円まで補償されます。
たとえば、「買ったばかりのカメラを旅先で落としてこわしてしまった!」などの場合、保険金がもらえます。
イオンゴールドカードのイマイチなところ
イオンゴールドの短所というか、足りない部分も書いておきます。
家族の保険はカバーできない(家族特約ナシ・家族カードは発行可)
イオンゴールドカードの付帯保険は、あくまでカード会員のみが対象。家族の保険もカバーする「家族特約」は付いていません。ですので18歳未満の子供がいる場合は、有料保険に加入するか、家族特約つきカードを別に作る必要があります。(家族特約について詳しくはこちら)
ただし、イオンゴールドでは、家族カードの発行はできるので、18歳以上の家族は、家族カードを持てば、カード会員と同じ保険をもらえます。
空港ラウンジは限られた空港のみ使える
使える空港ラウンジは、2019年4月から増えたのですが、他のゴールドカードと比較すると少し少ないと言えます。使えるラウンジは、羽田空港、成田空港、新千歳空港、伊丹空港、福岡空港、那覇空港のみ。
残念ながら、関西国際空港、セントレア(中部国際空港)、などのラウンジは使えません。
ちなみに、イオンゴールドカードにはプライオリティパスも付いていません。
飛行機遅延/欠航・ロストバゲージ保険は無い
イオンゴールドの付帯保険には、飛行機遅延/欠航・ロストバゲージ保険はありません。これらの保険も有料カードにしか付いていないものです。これらの保険は、保険金をもらうための条件も厳しいので、私は無くてもいいんじゃないかと思っています。
「でも欲しい!」という人は、↓こちらのページを御覧ください。
飛行機欠航/遅延・ロストバゲージ保険付きカード比較表(20枚以上)
イオンゴールドカードでの海外キャッシングはイマイチ
現地ATMで現地通貨を引き出す「海外キャッシング」は、現地の両替所よりもお得に外貨両替できるオススメの方法。ただし、イオンゴールドで、それをやるのはイマイチです。両替レートの良さではマスターを選んでおけばいいのですが、繰上げ返済に電話代+振込手数料がかかってしまいます。
海外キャッシングでお得なカードは、年会費無料のものがあるので、別に作るべきです。↓こちらでしっかり解説しています。
国際キャッシュカード徹底比較
まとめ
ポイントをまとめると、イオンゴールドカードは、↓こんなカードです。
●年会費無料が好きな人
●1ヶ月以上の海外旅行をしない人
●単身者もしくは、18歳未満の子供と旅行しない人
●海外旅行をする予定の18歳以上の家族がいる人
利用の注意点
海外旅行保険が30日間しかない
キャッシュレス診療不可
付帯保険は1枚だけでは不十分。必ず他カードで上乗せを。
海外キャッシングは別のカードのほうがいい
飛行機遅延/欠航・ロストバゲージ保険は無い
という感じです。
イオンゴールドカードを持つには、まずはイオンカードを作る必要があります。イオンカードの申込は↓コチラから。