オリコカード海外旅行保険の注意点←海外生活者の観点から
このページでは、海外旅行保険が付いているオリコカードの中で一番良いカードの選び方、見落としやすい落とし穴、また、海外旅行へ行ったあとのオリコカードの使い方などを解説します。
Contents
人気のオリコカード・ザ・ポイントは海外旅行保険無し
オリコカードには非常に多くの種類がありますが、人気カード「Orico Card THE POINT (オリコカード ザ ポイント)が代表的なのですが、海外旅行保険が付帯していないオリコカードも多いので、注意が必要です。
ザ・ポイント以外の、海外旅行保険が付帯していないオリコカードも、↓ここにまとめておきます。
要注意。海外旅行保険無しのオリコカード
↓注意!海外旅行保険ナシのオリコカード
●オリコカード・ザ・ポイント
●オリコカードiD×QUICPay(アイディ クイックペイ)
●ジュエルジーiD/ジュエル ジーQUICPay
●UPty PayPass(アプティ ペイパス)
●UPty iD アイライブハイブリッド
●Rosetta(ロゼッタ)
●UPty iD スウィート
●UPty QUICPay Speedy(スピーディー)
↑こうして見ると、ほとんどが年会費無料カード。実は、2011年12月にオリコカードが「年会費無料カードには海外旅行保険をつけない」という方針を打ち出し、海外旅行マニアたちが皆ガッカリした、という事件があったんです。
でも、そこは、さすがのオリコカード。そんなガッカリ状態のままにしていません。その後、様々な「非常に簡単な条件で年会費無料になるカード」を出し始めました。ですので、狙うなら、それらのカードです。それらのカードには海外旅行保険付きがあるからです。
オリコカードは3種類。その上手な選び方
簡単にまとめると、↓このように、オリコカードは海外旅行保険で見ると3種類に分かれます。
真ん中の「海外旅行保険付きオリコカード」の中の「年1回の買物で年会費無料」のカードを選ぶのが一番お得です。
海外旅行保険が付くオリコカード一覧と、その年会費
海外旅行保険が付帯しているオリコカードは、↓これだけあります。(年会費が少ない順)
年会費(税込) | 保険レベル | 国際ブランド | |
---|---|---|---|
●オリコカードVisa payWave(ペイウェーブ) | 1375円 ※年1回の買物利用で無料 |
一般 | VISA |
●オリコカードPayPass(ペイパス) | 1375円 ※年1回の買物利用で無料 |
一般 | マスター |
●UPty (アプティ) | 1375円 ※年1回の買物利用で無料 |
一般 | マスター |
●オリコカード | 1375円 | 一般 | VISA マスター JCB |
●ライダーズアシストUPty | 1375円 | 一般 | マスター |
●オリコカード・ザ・ポイント・プレミアムゴールド | 1986円 | 一般 | VISA マスター |
●プレミアムゴールド | 1986円 | 一般 | VISA マスター JCB |
●ドライバーズアシストUPty | 2200円 | 一般 | マスター |
●Orihime (オリヒメ) | 3300円 ※年10万円以上利用で無料 |
一般 | マスター |
●i Gold (アイ ゴールド) | 3300円 | 一般 | マスター |
●ザ・ゴールド | 11000円 | ゴールド | マスター |
オリコカードでは、海外旅行保険が、「一般レベル」と「ゴールドレベル」の2種類しかありません。で、しかも注意したいのが、↓この事実です。
オリコのゴールドカードは付帯の海外旅行保険でメリットなし
オリコカードは、一般カードの海外旅行保険レベルが高いです。これはカード各社の中でトップクラス。でも、一方で、ゴールドカード付帯の海外旅行保険レベルはイマイチ。
結果として、オリコカードは、年会費の高いゴールドカードを作っても、海外旅行保険の面では、あまりトクしないのです。↓こちらを御覧ください。
オリコ一般カードとゴールドカードの比較 | ||
---|---|---|
オリコ系一般カード | オリコ系ゴールドカード | |
保険期間 | 90日 | 90日 |
条件 | 自動付帯 | 自動付帯 |
傷害死亡/後遺障害 | 2000万 | 5000万 |
傷害治療費用 | 200万 | 200万 |
疾病治療費用 | 200万 | 200万 |
賠償責任 | 2000万 | 2000万 |
携行品損害 | 20万 | 100万 |
救援者費用 | 200万 | 200万 |
↑海外旅行保険の中で、一番使う確率が高いのは「傷害・疾病治療費用」(病気やケガでの病院代の保険金)です。その一番重要な項目が、一般カードとゴールドカードと同じ金額なんです。
つまり、オリコカードでは、年会費の高いゴールドカードにしたとしても、保険の面ではあまりメリットがない、ということです。裏返して言えば、一般カードにはゴールドカードなみの海外旅行保険が付いている、ということ。
そうすると、結論としては、オリコカードでは、年会費ができるだけ無料に近いカードで、使いやすいカードを選ぶのがトク、ということになります。
海外旅行保険付帯で一番おすすめは、オリコPaypass
オリコカードの中で、海外旅行保険がついていて、一番のオススメなカードは、オリコPaypassカードです。
なぜなら、
●一般カードの中ではトップクラスの海外旅行保険
●年1回のショッピング利用で年会費が無料(=ハードル低い)
●国際ブランドがマスターカードで、一般カードで一番保険が手厚いエポスカード(VISA)と組み合わせやすい
という理由からです。
オリコPaypassについては、↓こちらで詳しく解説しています。
以下の説明は、オリコPaypassのページにも記載している内容です。オリコPaypassが気になっている人は、↑上のページで読んでくださいね。
ただし、オリコカードだけの海外旅行保険では不十分
ハッキリ言います。オリコカード1枚の保険だけでは、海外旅行には足りません。
足りるか足りないか、で問題となる項目は、
●疾病・傷害治療費用の額
●救援者費用の額
の2つです。その中でも疾病・傷害治療費用は、風邪や腹痛でも使う可能性があり、一番使う確率が高いので最重要。
その治療費用で、必要額を考えてみると、大雑把な額ですが↓こんな感じになります。
●アジア 300〜500万⇒カード2,3枚
(台湾300万、香港400万、シンガポール500万)
●ヨーロッパ 400〜600万⇒カード2,3枚
●オーストラリア 400万⇒カード2枚
●アメリカ(ハワイ含む) 1000万以上⇒カード5枚
(グアム・サイパンは400万くらい)
という感じです。なので、オリコカード1枚の付帯保険だけでは「アジアでも保険金が不足する心配アリ」というレベルです。ですので、他のカード付帯保険も使って上乗せする必要があるんですね。上乗せについては、↓次に、説明します。
足りない分は、他のカード付帯保険との合算でカバー
オリコカード1枚だけの付帯保険で足りないので、他の保険付きクレジットカードを持ち、保険を上乗せさせます。
海外旅行保険付きのクレジットカードを2枚以上持っていた場合は、それぞれの項目の補償限度額が合算されるのです!(ただし傷害死亡/後遺障害の項目は合算されない)
具体例で見てみましょう。一番理想の組み合わせと言える、オリコPaypass(マスター)と、エポスカード(VISA)を選ぶとします。
↓表で見ると、補償額はこんな感じに合算されます。
オリコPaypass | エポスカード | → | 合算結果 | |
---|---|---|---|---|
保険期間 | 90日 | 90日 | → | 90日 |
条件 | 自動付帯 | 自動付帯 | ||
傷害死亡 /後遺障害 |
2000万 | 500万 | → | 2000万 |
傷害治療 費用 |
200万 | 200万 | → | 400万 |
疾病治療 費用 |
200万 | 270万 | → | 470万 |
賠償責任 | 2000万 | 2000万 | → | 4000万 |
携行品損害 | 20万 | 20万 | → | 40万 |
救援者費用 | 200万 | 100万 | → | 300万 |
※「傷害死亡/後遺障害」の項目だけは合算されず、高い金額のほうが上限になる。
↑この合算後の額なら、アジア旅行なら、一応、安心できますね。もう少し保険金があったほうが安心という人は、保険付帯カードをさらにもう一枚作っておくと、さらに上乗せになります。合算&必要な保険額に関しては、↑こういう感じで考えてください。
ちなみに、合算させる目的でカードを選ぶなら、保険が自動付帯のカードのほうが余計な手続き不要なのでラクです。
また、オリコPaypassは、国際ブランドがマスターなので、上乗せ用のカードはVISAにするのがオススメです。海外ではVISAしか使えない店や、マスターしか使えない店、などがあるからです。
年会費無料や年会費の安いカードを探しているなら、こちらの比較表から探してみてください。⇒クレジットカード海外旅行保険比較表(80種以上)
オリコカードの評価がイマイチなところ
オリコカードの短所というか、足りない部分も書いておきます。
オリコカードはキャッシュレス診療ができない
キャッシュレス診療とは、「キャッシュレス・メディカルサービス」とか、「医療費キャッシュレスサービス」だとかの呼び名があるのですが、すべて同じです。要は、「現地の病院にかかったときに、保険会社が直接、病院に支払いをしてくれて、自分で支払いをしないで済む」というサービスです。
あると便利なのですが、残念ながらオリコカードでは、このサービスが使えません。ですので、現地の病院では一度自分で支払いをし(立て替え払いをし)、その後、カード会社(保険会社)に領収書などと一緒に申請をする、という手続きが必要です。
まあ、でも、キャッシュレス可能なカードでも、保険会社との提携病院がない場所(たとえば田舎など)では、キャッシュレス診療は不可です。ですので、割り切るのもアリだと思います。
[使い方コツ1]オリコカードはキャッシュレス可のカードの上乗せに使う
オリコカードは、キャッシュレス診療不可なのですが、実際のところ、そこまで不便はありません。ここでは使い方のコツを紹介します。
まず1つめの使い方のコツとして、「オリコカードを保険上乗せカードとして使う」というのがあります。つまり、もう一枚のカードをキャッシュレス可能なカードにしておけば、そのカードの保険の範囲内でキャッシュレス診療は受けられるので、ほとんど問題が起こらない、というわけです。
具体的に言うと、こうです。単純なケースとして、↓こういう2枚の組み合わせでカードを持っていたとします。
●楽天カード(補償限度額ケガ200万・病気200万・キャッシュレスOK)
●オリコPaypass(補償限度額ケガ200万・病気200万・キャッシュレス不可)
これで海外でケガをしたとして、病院にかかるとします。すると、多くの場合は治療費用は200万以下なので、キャッシュレスOKの、楽天カードの保険デスクに連絡するだけで、こと足りるというわけです。
[使い方コツ2]オリコカードは病院支払に備え利用限度額を上げておく
2つめの使い方コツとして、「利用限度額を上げておく」というのがあります。
最近の海外の病院では、カード支払いOKという病院が多いです。ですので、現金を持っていなくても、クレジットカードを持っていれば診てもらうことができます。病院にかかったら、
①現地病院でカード決済し、
②その後、保険会社に保険金請求し、
③保険会社から保険金を受け取る
④もらった保険金を銀行口座に入れて、カードの引落しに使う、
という流れにすれば、現金を準備する必要はありません。
オリコカードだけしか持っていない場合でも、カードの利用限度額は、多くの場合、増額手続きをすれば200万円まで増額可能です。増額が認められず利用限度額が少なかった場合は、オリコカードと、もう一枚の別カードと両方で支払いしてもいいでしょう。
オリコカードは、増額の審査は結構すぐに終わるので、最悪、病気になってからでも増額は可能です。
ですので、このコツのポイントとしては2つですね。
1.病院にかかるときは、保険デスクにカード払いOKの病院を紹介してもらう
2.オリコカードの利用限度額を上げておく
年会費ほぼ無料カードでは空港ラウンジは使えない
年会費ほぼ無料のオリコカードでは、残念ながら空港ラウンジは使えません。もちろん、プライオリティパスも付いていません。空港ラウンジが使いたい人は、年会費1万円以上のカードに申し込んでください。
ショッピング保険なし
オリコの一般カードには、「ショッピングガード」(=ショッピング保険)は付いていません。オリコゴールドカード、Orihimeカード、オリコTHE WORLDなどの年会費3000円以上のカードに付いています。
ショッピング保険とは、そのカードで購入した商品が偶然の事故などで損害を被ったときに補償してくれる、というもの。まあ、メインカードとして使うのでなければ問題ないですね。
家族の保険はカバーできない(家族特約ナシ・家族カードは発行可)
オリコカードの付帯保険は、あくまでカード会員のみが対象。家族の保険もカバーする「家族特約」は付いていません。ですので18歳未満の子供がいる場合は、有料保険に加入するか、家族特約つきカードを別に作る必要があります。(家族特約について詳しくはこちら)
ただし、オリコカードの家族カードは発行できます(しかも年会費無料)。18歳以上の家族は、家族カードを持てば、カード会員と同じ保険をもらえます。
飛行機遅延/欠航・ロストバゲージ保険は無い
オリコの一般カードの付帯保険には、飛行機遅延/欠航・ロストバゲージ保険はありません。これらの保険も有料カードにしか付いていないものです。オリコカードの中では、年会費約1万円のオリコTHE WORLDとオリコTHE GOLD PRIME、年会費約2万円のオリコTHEプラチナにのみ、付いています。
これらの保険は、保険金をもらうための条件も厳しいので、私は無くてもいいんじゃないかと思っています。
「でも欲しい!」という人は、↓こちらのページを御覧ください。年会費安めのカードでも、この保険が付いているカードを紹介しています。
飛行機欠航/遅延・ロストバゲージ保険付きカード比較表(20枚以上)
オリコカードでの海外キャッシングはイマイチ
現地ATMで現地通貨を引き出す「海外キャッシング」は、現地の両替所よりもお得に外貨両替できるオススメの方法。ただし、オリコカードで、それをやるのはイマイチです。両替レートの良さではマスターを選んでおけばいいのですが、繰上げ返済に電話代+振込手数料がかかってしまうからです。
海外キャッシングでお得なカードは、年会費無料のものがあるので、別に作るべきです。↓こちらでしっかり解説しています。
国際キャッシュカード徹底比較
まとめ
ポイントをまとめると、オリコカードは、↓こんなカードです。
●充実した海外旅行保険のカードが欲しい人
●単身者もしくは結婚しても子供がいない人
●短期旅行者(90日以内)
●カード付帯保険を上乗せしたい人
利用の注意点
キャッシュレス診療ができない(現地病院ではカード払いで)
付帯保険は1枚だけでは不十分。必ず他カードで上乗せを。
海外キャッシングは別のカードのほうがいい
飛行機遅延/欠航・ロストバゲージ保険は無い
以上のことに納得してオリコカードを作るなら、先にも書きましたが、オリコPaypassが一番おすすめです。↓こちらの詳細ページを読んでみてください。
「やっぱりキャッシュレス診療可能のカードがいい!」という人など、他のカードを探したい人は、↓こちらの比較表をどうぞ。