トラストクラブ プラチナVisaカード海外旅行保険の注意点←海外在住者の観点から
※SuMi TRUST CLUBカード(スミ・トラスト・クラブカード)は、TRUST CLUBカードに名称変更されました。
TRUST CLUBカード(トラストクラブカード)は、以前の「シティカード」です。シティバンクの日本撤退によって、「三井住友トラストグループ」傘下のカードになりました。
トラストクラブカードは現在7種類のカードがあり、このページで紹介する「TRUST CLUBプラチナVisaカード」は、一番上位のカードです。(以下、トラストクラブ・プラチナVisaと呼びます)
年会費が3.5万円(税別)と高いので、その年会費に見合う価値があるかどうかが気になりますよね。このトラストクラブ・プラチナVisaに関しては、特に海外旅行保険関連の内容が非常に良く、他のカードでは真似できない部分も多いので、十分、年会費の元が取れると言えます。私もよくオススメしているカードです。
※まぎらわしい名前の、「TRUST CLUBプラチナマスターカード」というのがありますが、マスターのほうは年会費3000円ですが、付帯保険は全く良くありません。間違えないようにしてくださいね。
トラストクラブ・プラチナVisaですが、特長の目玉としては、3つ。
利用付帯裏技が可能(=3ヶ月以上の長期滞在で保険利用可能)
日本唯一の継ぎ足し保険「海外旅行保険プラス」に加入可能
付帯保険の補償限度額が高い。家族特約の内容も良い
特に、家族で海外長期滞在をする人にとっては、2と3のメリットによって数十万円の節約ができる可能性があります。
そんなトラストクラブ・プラチナVisaの内容について、このページで詳しく解説します。
Contents
まず結論
こういう人向けのカード
●長期滞在者(3ヶ月以上)。半年以上なら必須
●自分自身以外でも、子供や家族が子供や家族が長期留学など長期滞在をする予定がある人
●18歳未満の子供がいる人
●海外赴任など家族で長期滞在の予定がある人
こういう人には向かない
こういう人にはトラストクラブ・プラチナVisaは向いていません。他のカードをおすすめします。
下に、理由とともに詳しく解説します。
トラストクラブ・プラチナVisa海外旅行保険の特徴
保険金限度額(補償限度額)
トラストクラブカードは現在7種類(年会費13万円と高すぎるワールドエリートは除外)。7枚を付帯保険でレベル分けすると3つに分かれます。↓こんな感じ。プラチナVisaカードは一番右ですね。
トラストクラブカード7種比較
↓赤い部分がおすすめな点です。カード名 ・年会費(税抜) |
エリート 3000円 オススメ!! プラチナマスター 3000円 |
ゴールド 1.2万円 ワールド 1.2万円 Deltaゴールド 1.8万円 |
Deltaプラチナ 4万円 |
オススメ!! プラチナVisa 3.5万円 |
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保険付帯条件 | 利用付帯 | 利用付帯 | 自動付帯 | 利用付帯 | |
保険対象 | カード会員のみ | カード会員のみ | 家族も対象 | 家族も対象 | |
保険期間 | 2ヶ月間 | 2ヶ月間 | 3ヶ月間 | 3ヶ月間 | |
保 険 金 限 度 額 |
傷害死亡後遺傷害 | 3000万円 | 7000万円 | 本会員:1億/家族特約対象者:1千万 | |
重要★ 治療費用 |
傷害 150万 疾病 150万 |
傷害 200万 疾病 200万 |
傷害 500万 疾病 500万 |
傷害 500万 疾病 500万 |
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賠償責任 | ゼロ | 3000万円 | 5000万円 | 5000万円 | |
携行品損害 | 30万円 | 30万円 | 100万円 | 100万円 | |
救援者費用 | 50万円 | 100万円 | 500万円 | 500万円 | |
キャッシュレス診療 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
家族特約の範囲 | × | × | 子供○、配偶者○、同居の親○ | ||
家族カード年会費 | 無料 | ゴールド無料/デルタゴールド9000円 | 無料 |
↑このように、トラストクラブ・プラチナVisaは、「治療費用補償の限度額が500万円」。これは、保険付帯カード全体の中でも最高レベルです。(参考:比較表)
特に、治療費用限度額が、自分も500万、家族も500万というのは、普通に申込みできるカードの中で最高クラス。
一般的な目安は↓こんな感じ。比較すると、このプラチナカードの良さがわかると思います。
●一般カードの中の良いカードで200万円
●年会費1万円レベルのゴールドカードの良いもので300万円
●家族特約が良いカードでも200万円
●利用付帯裏技可能カードで良いものが100万円
これだけ補償が良いと、利用付帯ではありますが、短期旅行で使ってもいいですよね。子供の留学のために持っておく、というのもアリです。
トラストクラブプラチナカードは3種類
プラチナカードは、3種類あります。
●プラチナVisaカード:年会費3.5万円(税抜)、海外保険は利用付帯で、家族もカバー(家族特約付き)。
●デルタ航空マイルが貯まるデルタプラチナカード(Visa):年会費4万円(税抜)、海外保険は自動付帯で、家族もカバー(家族特約付き)。
●プラチナMasterカード:年会費3000円(税抜)、海外保険は利用付帯で、家族の保険はナシ。
一番安いプラチナMasterカードは、子供がいる人には向きません。
2枚のプラチナVisaに関しては、利用付帯と自動付帯なので、使い道によって、どちらが良いかは変わります。短期旅行ばかりの人はデルタプラチナを、3ヶ月以上の長期滞在の人は普通のプラチナVisaが良いですね。
保険条件は利用付帯。保険期間は3ヶ月
トラストクラブ・プラチナVisa付帯の海外旅行保険は、有効にさせるための条件がある「利用付帯」。つまり、その海外旅行にかかわる飛行機や公共交通機関の支払いをカード払いしたときのみ、保険が有効になります。(これに対し、何もせず海外へ行くだけで有効になる保険は「自動付帯」と呼びます。参考記事)
利用付帯は一見、面倒に見えるのですが裏のメリットがあります。「海外に行ってからの交通費カード払いは、支払い時点から保険が有効になる」という特徴があるからです。
この特徴を利用することで、普通は「出国から3ヶ月間」しか使えないカード付帯保険を、↓このように延長させることができます。これが、私が「利用付帯裏技」と呼んでいるものです。
トラストクラブ・プラチナVisaでも、↑この裏技がバッチリ使えます。しかも、さきほど書いたように、充実の保険金限度額ですからね。その充実した保険が、家族に対しても使えるので大幅な保険料の節約が可能です。(節約の具体例はこちらに書いています)
他の「利用付帯裏技可で家族特約付きカード」との比較はこちらの記事に⇒家族も保険対象となる「家族特約」付き利用付帯裏技カード一覧
利用付帯裏技に関して、詳しくは、↓こちらの記事で解説しています。
トラストクラブカードの家族特約は、配偶者も同居の親も対象。家族カード必要なし
家族特約とは、「そのカードを一枚持っているだけで、家族も海外旅行保険の対象になる」という、子供がいる家庭には嬉しいサービス。(家族特約に関して、詳しくはこちら)
しかも、トラストクラブカードの家族特約は、家族特約の範囲が広いです。↓このような感じで同居家族なら、ほぼ全員をカバーできます。(配偶者や親は家族特約対象外のカードもあるので、これはメリットです)
トラストクラブカードの家族特約の詳細は、↓こうなっています。
<家族特約の対象者>
①カード会員(本会員および家族会員)の配偶者
②カード会員(本会員および家族会員)またはその配偶者と生計を共にする同居の親族
③カード会員(本会員および家族会員)またはその配偶者と生計を共にする別居の未婚の子
※親族とは、6親等以内の血族または3親等以内の姻族となり年齢制限はありません。
※家族特約の対象となるか公的書類で確認させていただきます。
↑こういうことなので、トラストクラブ・プラチナVisaの場合は、保険だけ考えた場合は、家族カードは発行しても、しなくても、どっちでもいいですね。
家族カードを発行すれば、死亡/後遺障害の補償額だけ増える、という違いだけ。まあ、トラストクラブ・プラチナVisaの場合、家族カードは年会費無料なので、作っても重荷にはならないので作ってもいいかもしれません。
キャッシュレス診療OK
大都市限定になりますが、トラストクラブカードの付帯保険では、キャッシュレス診療が可能です。
キャッシュレス診療とは、「キャッシュレス・メディカルサービス」とか、「医療費キャッシュレスサービス」だとかの呼び名があるのですが、すべて同じです。要は、「現地の病院にかかったときに、保険会社が直接、病院に支払いをしてくれて、自分で支払いをしないで済む」というサービスです。
昔は、このサービスが無く、現地の病院では一度自分で支払いをし(立て替え払いをし)、その後、カード会社(保険会社)に領収書などと一緒に申請をする、という面倒な手続きが必要でした。その面倒な手続きが、SuMiトラストクラブカードでは不要になる、ということです。
※最近のカード付帯保険は、ほぼ9割くらいの保険付帯カードが、キャッシュレス診療可能になっています。
ただし、キャッシュレス可能なカードでも、保険会社との提携病院がない場所(たとえば田舎など)では、キャッシュレス診療は不可能で、まず自費で立替をして、それから保険金申請手続が必要です。
キャッシュレス診療の使い方のコツ
私も上海滞在時代や海外旅行で何度か使ったので、キャッシュレス診療の使い方のコツを少し書いておきます。それは3つ。
●体調が悪くなるかも、という段階で提携病院を聞いておく
●いきなり病院に行ってはダメ。カード会社に電話して病院を手配してもらうこと
●土日祝、年末年始など、カード会社が休みの日はキャッシュレス不可
いくら大都市でも、すべての病院が保険会社の提携病院であることはありません。もし飛び込みで病院に行ってしまうと、提携病院ではない場合、キャッシュレス診療サービスは使えないことになります。
なので、まずは提携病院がどこの病院なのか、を調べておく。提携病院が近くにないこともあるからです。そして、実際に病院に行きたくなったら、カード会社に電話して病院を予約してもらう。そうすれば確実にキャッシュレス診療をしてもらうことができます。
※以前は「健康なうちに提携病院を保険会社に聞いておくと安心ですよ」と読者さんにはアドバイスしていたのですが、2016年7月と8月の調査で、いくつかの保険会社で提携病院を教えてもらうのを断られました(涙)。理由はここでは割愛しますが、「本当に体調の悪いときしか提携病院を教えてもらえない」ということがあることは覚えておいてください。
そして、3つ目のポイント、「土日祝、年末年始などはキャッシュレス診療不可」について。キャッシュレス診療のためには、保険会社は「その人がカードの持ち主だ」という確認が必要です(上の図の①')。普通は、その確認は1、2時間で済みます。ですが土日祝などはカード会社が休みで確認が取れません。だからキャッシュレス不可となってしまうのです。覚えておきましょう。
メリット:海外旅行保険プラスに加入可能=半年以上の保険の節約
「海外旅行保険プラスに加入できること」、これがトラストクラブカードの一番のメリットとも言っても過言ではありません。
海外旅行保険プラスは、日本で唯一、カード付帯保険に継ぎ足しできる有料保険
ちょっと考えたことがある人なら、↓こう考えたことがあると思います。
でも、↑これ、できないんです。
なぜなら、日本の海外旅行保険は、保険期間を、海外旅行の途中から設定することができないから。必ず、出国のときから契約しないとダメなんです。「なんでやねん!」と思うのですが、そういう決まりとのこと(涙)。
それの例外が「海外旅行保険プラス」
しかし、例外がそう、「海外旅行保険プラス」なのです。日本で唯一、「海外旅行保険プラス」だけが、カード付帯保険のあとに継ぎ足す形で使える有料保険なのです。(保険自体は東京海上日動の保険です)
「海外旅行保険プラス」の節約効果は絶大です。最近、1年の海外旅行保険の最安値が約18万円。これを3ヶ月分、節約できたとすると、4.5万円の節約になります。
例:トラストクラブ・プラチナVisaと海外旅行保険プラスで17〜39万円の節約
さらに、トラストクラブ・プラチナVisaと、海外旅行保険プラスを合わせて使うと、さらに大きな節約が可能になります。
さきほどと同じように、普通に加入する海外旅行保険は最安値で1年約18万円。これを比較対象にします。
一方、カード付帯保険で節約したプランが↓こちら。
①1〜3ヶ月目 他の自動付帯カードの付帯保険でカバー(約2万円)
②4〜6ヶ月目 トラストクラブ・プラチナVisaでカバー(約4万円)
③7〜12ヶ月目 海外旅行保険プラスに加入(約9万円)
合計15万円
これで、年会費を差し引いても3万円の節約になりますね。ここに家族のことを加えると、さらにすごい節約額になります。
夫婦子一人の3人家族の場合で考えてみましょう。18万円×3人分ですから合計54万円。ファミリープランがあったとして約50万円くらいでしょう。
その3人分をカード付帯保険で節約すると、↓こうなります。
①1〜3ヶ月目 他の自動付帯カードの付帯保険でカバー(約2万円)
②4〜6ヶ月目 トラストクラブ・プラチナVisaでカバー(約4万円)
③7〜12ヶ月目 海外旅行保険プラスに加入(9万×3人=約27万円)
合計33万円
↑17万円の節約になりました。
これ、すごいのは、家族の人数が増えても、最初の半年の期間の費用が増えないので、節約額がどんどん多くなることです。
我が家のように3人子供がいる5人家族の場合を見てみます。普通なら18万円×5人分で約90万円かかるところが、↓こうなります。
①1〜3ヶ月目 他の自動付帯カードの付帯保険でカバー(約2万円)
②4〜6ヶ月目 トラストクラブ・プラチナVisaでカバー(約4万円)
③7〜12ヶ月目 海外旅行保険プラスに加入(9万×5人=約45万円)
合計51万円
↑なんと39万円の節約になりました。
こんな節約ができるのは、ほんと、このトラストクラブ・プラチナVisaだけです。
海外旅行保険プラスはトラストクラブカード会員だけが契約できる
そんな夢のような節約ができる「海外旅行保険プラス」ですが、この保険、契約時の条件として、「トラストクラブカードでのカード払い」じゃないとダメという条件があります。
つまり、トラストクラブのカードを持つ人しか契約できないのです。保険自体は東京海上日動の保険なんですけどね。
一方で、面白いのは、トラストクラブのカードさえ持っていれば、自分だけではなく家族や他人の保険も契約できること。
例えば、甥っ子なんかが海外留学していて、カード付帯保険がもうすぐ切れそうだ、なんていうときに、甥っ子のために海外旅行保険プラスを契約してあげる、なんてこともできたりします。
海外旅行保険プラスは海外からでも契約可能
しかも、この「海外旅行保険プラス」、海外からでも契約できることも特徴。
海外長期滞在では、「やっぱり、もうちょっと滞在期間を延ばしたいな」という状況は、よくあります。そんなとき、海外にいつつ、海外旅行保険プラスで保険期間を継ぎ足せるのは便利です。
ただし、一つ条件があることに注意。この「海外からの海外旅行保険プラス加入」は、出国から無保険期間がないことが条件なんです。無保険期間がある場合は、加入できないので、そこだけは注意してください。
他の保険内容⇒買物保険/航空機遅延/ロストバゲージ保険もアリ
ショッピング保険(買物保険)は普通
トラストクラブ・プラチナVisaで買った商品が故障した場合に補償してくれるショッピング保険(買物保険)は、期間90日で年間500万円分です。この買物保険は普通レベル。もっと良いカードは、補償期間が180日間のカードなどもあります。(セディナカード、イオンカードなど)
航空機遅延欠航/ロストバゲージ保険あり
航空機遅延/ロストバゲージ保険が、トラストクラブ・プラチナVisaには付帯しています。遅延の多いLCCや、トランジットがある旅行のときは安心ですね。
ただし、補償額は、これも普通レベル。飛行機遅延/欠航時は2万円、手荷物遅延が2万円、手荷物紛失の場合は4万円まで、です。
この補償は、条件が厳しく、実際に使えるケースは多くないので、そこまでこだわる必要はないでしょう。厳しい条件というのは、こういう感じです⇒「飛行機遅延は4時間以上の遅れor欠航」、「手荷物遅延は到着から6時間以上遅れ」、「手荷物紛失は到着から48時間以内に届かない場合」など、です。
また、もらえる保険金も、限定されています。出発便/帰国便の航空機遅延/欠航の場合に保険金がおりるのは待ち時間の食事代のみ。乗継便の航空機遅延/欠航の場合に保険金がおりるのは、ホテル宿泊料金、待ち時間の食事代のみ。ロストバゲージの場合は、衣類や生活必需品の購入費用のみ、です。
興味がある人は、↓こちらで詳細に比較しているので、参考にしてみてください。
参考記事:飛行機欠航/遅延・ロストバゲージ保険付きカード比較表(20枚以上)
海外キャッシングするなら別カードを利用すべき
現地ATMで現地通貨が引き出せる「海外キャッシング」は、銀行や両替所での両替よりも、レートもお得で便利です。
ただ、トラストクラブ・プラチナVisaでも、海外キャッシングは可能なのですが、手数料や利息を少なくするための繰上返済が、電話が必要だったり、少々面倒です。
ですので、海外キャッシングする場合は、別のカードを作ることをオススメします。(私自身も、海外キャッシング専用カードとして、年会費無料のセディナカードを持っています)
海外キャッシングでお得なカードに関しては、こちらのサイトで比較しています。
参考サイト;国際キャッシュカード徹底比較(インターナショナルカード)
まとめ
結論を再度まとめておきます。
利用付帯裏技が可能(=3ヶ月以上の長期滞在で保険利用可能)
日本唯一の継ぎ足し保険「海外旅行保険プラス」に加入可能
付帯保険の補償限度額が高い。家族特約の内容も良い
トラストクラブ・プラチナVisaを持つと得する人
●長期滞在者(3ヶ月以上)。半年以上なら必須
●自分自身以外でも、子供や家族が子供や家族が長期留学など長期滞在をする予定がある人
●18歳未満の子供がいる人
●海外赴任など家族で長期滞在の予定がある人
以上です。
必要な人と必要でない人がハッキリと分かれるカードです。必要な人は、内容を十分に理解して、上手に保険料を節約してくださいね!