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JACCS(ジャックス)カード海外旅行保険の注意点←海外生活者の観点から

 2012/06/05 個別解説 さ行(さしすせそ)
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ジャックスカード ロゴ

JACCS(ジャックス)カードに付帯する海外旅行保険は、端的に言えば、一般カードは良く、ゴールドカードはイマイチ。

海外旅行で使うカードとしては、保険以外にも「海外利用の明細への反映が遅い」という欠点があるので、使い方が要注意なカードです。

私自身も、ジャックス横浜カードやDelightジャックスカード(旧REXカード)、漢方スタイルクラブカードなど、愛用してきましたので、その経験もふまえて、上手な使い方、選び方を解説します。

まず結論

ジャックスカードの海外旅行での評価について、結論(ポイント)をまとめておきます。

ジャックスカードの良いところ

一般カードの海外旅行保険が良い(疾病治療費上限200万,傷害治療費上限200万、比較表 最高2位くらい)
年会費無料のカードもある
保険が自動付帯 ←2023年10月、利用付帯に
キャッシュレス診療OK
留学にも使える(付保証明書を発行可能)
カードによってはショッピング保険付(=90日間、買ったものを補償)

ジャックスカードのダメなところ

保険が利用付帯(カード払い必須。2023年10月から)
ゴールドカードの付帯海外保険はイマイチ
海外利用の明細への反映が遅い
一枚だけでは海外旅行保険は不足
海外キャッシングは良くない
90日以上の旅行には使えない ←利用付帯裏技で使えるように

ジャックスカードは、こんな人向け

●ジャックスカードでポイントを貯めたい人
●18歳未満の子供と海外へ行く予定がない人
●年会費無料が好きな人(Delightジャックスカード横浜カードがおすすめ)
●長期旅行者(90日以上)
●カード付帯保険を上乗せしたい人

下にそれぞれ解説していきます!

ジャックスカード付帯の海外旅行保険は一般カードは良く、ゴールドカードはイマイチ

まずはジャックスカードに付帯する海外旅行保険について、です。ジャックスカード自体は多くの種類があるカードですが、付帯する海外旅行保険で見るとジャックスカードは2種類しかありません。

【ジャックスの保険は2種類だけ】
●ジャックス一般カードの海外旅行保険 ←良い
●ジャックスゴールドカードの海外旅行保険 ←イマイチ

ここで言う「一般カード」とは年会費3000円くらいまでのカード。「ゴールドカード」は年会費5000円のものだと思ってください。

ズバッと言ってしまうと、ジャックスカードは一般カードの保険は良いのでオススメですが、ゴールドカードの保険は年会費のわりにはイマイチです。↓実際に海外保険の内容を見てみましょう。

ジャックスカードの海外旅行保険内容(年会費無料も含む一般カード)

補償限度額
傷害死亡/後遺障害 2000万
傷害治療 200万 (1回のケガにつき)
疾病治療 200万 (1回の病気につき)
賠償責任 2000万 (1回の事故につき)
携行品損害 20万 (1年でリセット)
救援者費用 200万 (1年でリセット)
飛行機遅延  あり (2023年10月から)
ロストバゲージ あり (2023年10月から)

以前は自動付帯でしたが2023年10月から利用付帯に変更。保険期間は最長90日。キャッシュレス診療可。引受保険会社は、三井住友海上。

カード付帯の海外旅行保険を選ぶとき、一番重要なのは、一番使う確率の高い、病気ケガの治療費用の補償額です。それが、ジャックス横浜カードでは、ケガ・病気治療費ともに200万円。これは年会費1万円以下の一般カードではトップクラスです。

おすすめジャックス年会費無料カード

一般カードの中では、ダントツで↓下記2枚の年会費無料カードがおすすめです。

横浜インビテーションカード(年会費無料)
Delightジャックスカード(旧REXカード)

以前は、REXカードliteや漢方スタイルクラブカードなど、お得なカードもありましたが、募集停止となりました。ジャックスカードは、お得なカードもどんどん出すが、消えていくカードも多い印象があります。

ジャックスゴールドカードの海外旅行保険内容

ジャックスゴールド付帯の海外旅行保険は、あまりオススメではありません。同じ年会費5000円で保険が充実している三井住友VISAゴールドと比較するとよくわかります。

  ジャックスゴールドカード(VISA/マスター/JCB)
ジャックスカードゴールド
三井住友VISAゴールド
三井住友VISAゴールド
年会費 5000円(税抜) 1万円(税抜)←半額にできる
国際ブランド VISA/マスター/JCB VISA/マスター
保険付帯条件 自動付帯 利用付帯





  本会員 家族 本会員 家族
傷害死亡/後遺傷害 3000万円 1000万円 1000万円
(5000万円)
1000万円
★重要★
傷害・疾病治療費
傷害
200万
疾病
200万
傷害
100万
疾病
100万
傷害
300万
疾病
300万
傷害
200万
疾病
200万
賠償責任 3000万円 1000万円 5000万円 2000万円
携行品損害 20万円 10万円 50万円 50万円
救援者費用 200万円 100万円 500万円 200万円
キャッシュレス診療 × ×
家族特約の範囲 子供○、配偶者○、同居の親○ 子供○、配偶者×、同居の親×
家族カード年会費 1枚目無料、2枚目以降500円 1枚目無料、2枚目以降千円*
備考 ( )内は旅費をカード払いしたときの補償額。三井住友ゴールドの詳細解説ページはこちら

※1枚目の家族カードの年会費は初年度無料。翌年度以降は、家族カードでの前年のお買物利用回数が3回以上の場合無料

↑これを見てわかるように、一番重要な項目「ケガ病気の治療費用」の限度額が、かなり劣るので、ジャックスゴールドは要注意です。子供や家族の保険を重視するなら、他のカードを選ぶことをおすすめします。

ジャックス横浜カードは利用付帯(2023年10月から)

カード付帯保険の条件には二種類あります。

①自動付帯:海外へ行くと自動的に保険が有効になる
②利用付帯:海外旅行の交通費などをカード払いすると保険が有効になる

自動付帯と利用付帯の比較

ジャックス横浜カードは2023年10月に自動付帯から利用付帯に変更。利用付帯では、保険を有効にさせるためにパックツアー代金や交通費などのカード支払いが必要です。これは短期旅行者には面倒。ですが、長期旅行者にはメリットがあります。↓これです。

利用付帯は面倒だが、裏技で3ヶ月以上の旅行でも使える

3ヶ月以上のクレジットカード海外旅行保険の使い方

利用付帯のカードは、裏技的な使い方として、「海外へ行ってから、現地公共交通機関をカード払いをすると、その時点から保険が有効になる」という使い方ができます。つまり保険期間を自由に決められるのです。

その使い方をすると、他のカードと組み合わせることで、3ヶ月以上の海外滞在でもカード付帯保険でカバーできます。これが、このリクルートカードの強みです。

利用付帯裏技について、その他の利用付帯裏技OKカードなど、詳しくは、↓こちらの記事で解説しています。

ジャックスカードに、プラスどれだけで海外旅行保険は十分か?

ハッキリ言えば、ジャックスカード1枚の保険だけでは足りません

足りるか足りないか、で問題となる項目は、

●疾病・傷害治療費用の額
●救援者費用の額

の2つです。その中でも疾病・傷害治療費用は、風邪や腹痛でも使う可能性があり、一番使う確率が高いので最重要。

その治療費用で、必要額を考えてみると、大雑把な額ですが↓こんな感じになります。

必要最低限の医療費とカード枚数
アジア 300〜500万⇒カード2,3枚
(台湾300万、香港400万、シンガポール500万)
ヨーロッパ 400〜600万⇒カード2,3枚
オーストラリア 400万⇒カード2枚
アメリカ(ハワイ含む) 1000万以上⇒カード5枚
(グアム・サイパンは400万くらい)

という感じです。なので、ジャックスカード1枚の付帯保険だけでは「アジアでも保険金が不足する心配アリ」というレベルです。ですので、他のカード付帯保険も使って上乗せする必要があるんですね。上乗せについては、↓次に、説明します。

足りない分は、他のカード付帯保険との合算でカバー

クレジットカード付帯海外旅行保険に他の保険を上乗せ

ジャックスカード1枚だけの付帯保険で足りないので、他の保険付きクレジットカードを持ち、保険を上乗せさせます。

海外旅行保険付きのクレジットカードを2枚以上持っていた場合は、それぞれの項目の補償限度額が合算されるのです!(ただし傷害死亡/後遺障害の項目は合算されない)

具体例で見てみましょう。ジャックス横浜カード(Master)と、エポスカード(VISA)を選ぶとします。

↓表で見ると、補償額はこんな感じに合算されます。

ジャックス横浜インビテーションカード(マスター)
ジャックス横浜カード
エポスカード
エポスカード
合算結果
保険期間 90日 90日 90日
条件 利用付帯 自動付帯    
傷害死亡
/後遺障害
2000万 500万 2000万
傷害治療
費用
200万 200万 400万
疾病治療
費用
200万 270万 470万
賠償責任 2000万 2000万 4000万
携行品損害 20万 20万 40万
救援者費用 200万 100万 300万
  エポスカード詳細    

※「傷害死亡/後遺障害」の項目だけは合算されず、高い金額のほうが上限になる。

↑この合算後の額なら、アジア旅行なら、一応、安心できますね。もう少し保険金があったほうが安心という人は、保険付帯カードをさらにもう一枚作っておくと、さらに上乗せになります。合算&必要な保険額に関しては、↑こういう感じで考えてください。

ちなみに、合算させる目的でカードを選ぶなら、保険が自動付帯のカードのほうが余計な手続き不要なのでラクです。

また、ジャックス横浜カードは国際ブランドがMasterなので、上乗せ用のカードはジャックスカードの国際ブランドとは別のものを選ぶのがオススメです。海外ではVISAしか使えない店や、マスターしか使えない店、などがあるからです。

年会費無料や年会費の安いカードを探しているなら、こちらの比較表から探してみてください。⇒クレジットカード海外旅行保険比較表(80種以上)

ジャックスカードの評判の良い特典

ジャックスカードの、その他の評判が良い特典を見てみましょう。

飛行機遅延・ロストバゲージ保険付き(2023年10月から)

2023年10月から、ジャックスの一般カードの付帯保険に、飛行機遅延・ロストバゲージ保険が付くことになりました!通常、これらの保険はゴールドカードなどの高額な年会費のカードにしか付いていません。

参考:飛行機欠航/遅延・ロストバゲージ保険付きカード比較表(20枚以上)

そんな保険が、年会費無料のカードで付いてくるのは、かなりお得。

ただ、これらの保険が付くのは確定したものの、保険の詳細内容は2023年5月現在、まだ未定との回答でした(ジャックスカード保険デスクへの問合せ)。公式サイトでは、↓こう書かれているだけです。

ジャックスカード付帯保険の内容変更 2023年10月

保険内容の詳細が発表されるまで、もう少々待ちましょう。

ジャックスカードはキャッシュレス診療OK

キャッシュレス医療サービスの仕組み

大都市限定になりますが、 ジャックスカードの付帯保険では、キャッシュレス診療が可能です。

キャッシュレス診療とは、「キャッシュレス・メディカルサービス」とか、「医療費キャッシュレスサービス」だとかの呼び名があるのですが、すべて同じです。要は、「現地の病院にかかったときに、保険会社が直接、病院に支払いをしてくれて、自分で支払いをしないで済む」というサービスです。

昔は、このサービスが無く、現地の病院では一度自分で支払いをし(立て替え払いをし)、その後、カード会社(保険会社)に領収書などと一緒に申請をする、という面倒な手続きが必要でした。その面倒な手続きが、横浜カードでは不要になる、ということです。

※最近のカード付帯保険は、ほぼ9割くらいの保険付帯カードが、キャッシュレス診療可能になっています。

ただし、キャッシュレス可能なカードでも、保険会社との提携病院がない場所(たとえば田舎など)では、キャッシュレス診療は不可能で、まず自費で立替をして、それから保険金申請手続が必要です。

留学にも使える(保険の英語の付保証明書を発行可能)

外国のビザ取得や、留学するときに、カード付帯保険の付保証明書(カードに保険が付いていることの証明書)の提出が必要な場合があります。

ジャックスカードでは、日本語&英語での付保証明書が発行できるので、留学にもバッチリ使えます。(発行手続きは1週間程度)

カードによってはショッピング保険付き(年間100万円まで)

ジャックスカードには、一般カードでもカードによっては、ショッピングプロテクション(動産総合保険)が付いています。保険金の限度額は年間100万円まで。ジャックスカードで買った商品を、購入日から90日間、盗難・破損などの偶然な事故によって被った損害を補償してくれます
(自己負担3000円。PC、スマホなどは対象外)。

たとえば、「買ったばかりのカメラを旅先で落としてこわしてしまった!」などの場合、保険金がもらえます。

ちなみに、上でおすすめ年会費無料カードとして紹介した2枚のカードでは、
横浜インビテーションカードはショッピング保険付き、
Delightジャックスカード(旧REXカード)はショッピング保険なし、です。

この面だけで言うと、横浜カードの勝ち。ただし、ポイント還元率の面では、Delightカードのほうが良いので、どちらも良いカードですね(笑)。

ジャックスカードのイマイチなところ

ジャックスカードの短所というか、足りない部分も書いておきます。

[改善済]海外利用の明細反映が遅い

2023年7月の調査で、ジャックスの海外利用の遅さは改善されていたので、この項は、削除させていただきます。

ジャックスカードは海外利用の明細反映が遅い

特定のジャックスカードだけではなく、ジャックスカード全てなのですが、海外で使うクレジットカードとして致命的なデメリットが、この「海外でのカード利用の明細反映が遅い」という部分です。

クレジットカードを海外で利用すると、普通は、2,3日後には、為替レートと共にカード明細に反映されます。これによって、我々は不正利用があったかどうか確認できます。

それがジャックスカードは、海外利用だと、明細への反映に1週間〜10日以上もかかるのです。これでは不正利用された場合、かなり対応が遅れます。海外ではまだまだクレジットカード絡みの犯罪は多いです。この意味で、横浜カードは、海外のカード払いでは使いづらいカード、と言えるでしょう。

ジャックスカードでの海外キャッシングはイマイチ

現地ATMで現地通貨を引き出す「海外キャッシング」は、現地の両替所よりもお得に外貨両替できるオススメの方法。ただし、ジャックスカードで、それをやるのはおすすめできません。おすすめできない理由は3つ。①両替レートの良いマスターカードを選べない、②繰上げ返済に電話代+振込手数料がかかる、③海外ATM引き出し後の明細反映が遅い、という理由です。

海外キャッシングでお得なカードは、年会費無料のものがあるので、別に作るべきです。↓こちらでしっかり解説しています。
国際キャッシュカード徹底比較

まとめ

ポイントをまとめると、ジャックスカードは、↓こんなカードです。

ジャックスカードは、こんな人向けのカード
●ジャックスカードでポイントを貯めたい人
●18歳未満の子供と海外へ行く予定がない人
●年会費無料が好きな人(Delightジャックスカード横浜カードがおすすめ)
●長期旅行者(90日以上)
●カード付帯保険を上乗せしたい人
利用の注意点
一般カードは利用付帯になった(2023年10月から)
海外利用の明細への反映が遅い(海外利用は細心の注意を)
一枚だけでは海外旅行保険は不足
海外キャッシングは別のカードがおすすめ

という感じです。

おすすめの2枚は、↓こちらで細かく解説しております。

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[コツ]保険付帯カードは、まず「子供の保険が必要かどうか」で決めるべき
保険付帯カードを選ぶコツは、まずは「18歳未満の子供の保険が必要かどうか?」を決めること。

●子供の保険が必要 ⇒家族特約付きカード(種類少ない。年会費高い)
●子供の保険は不要 ⇒一般カード(種類多い。年会費安い)


となります。配偶者や同居家族がいても、18歳以上なら、家族カードを作ることで、同じ保険を持つことができるので、家族特約付きカードは不要です。

子供の保険が不要な人は、↓こちらの比較表をどうぞ。


海外旅行保険付帯クレジットカード比較表(子供がいない人向け)
海外旅行保険付帯クレジットカード比較表(子供がいない人向け)

(↑画像をクリックすると飛びます)

子供の保険も欲しい人は、↓こちらの家族特約付きカード比較表を。


家族特約付き海外旅行保険50枚比較表
家族特約付き海外旅行保険50枚比較表

(↑画像をクリックすると飛びます)

学生さんは、学生ならではのお得なカードがあります。こちら↓


海外旅行する学生のおすすめクレジットカード選び
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のむてつ

のむてつ

元高校教師。公務員を辞め、上海に渡り起業。上海生活7年(現在日本)、国際結婚歴17年(2007年〜)、海外ビジネス歴21年(2003年〜)。もともと自分のために調べ始めたカード付帯保険ですが、ブログでまとめるようになって20年(2004年〜)。2024年末で、読者からいただいた相談数が1,400件を超えました。今も海外滞在者の役に立つよう、情報を集め続けています。

2019年6月 マレーシアナビ カード保険セミナー
2019年6月 マレーシア在住者向け勉強会
2018年8月 マレーシアナビ カード保険セミナー
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