JACCS(ジャックス)カード海外旅行保険の注意点←海外生活者の観点から
JACCS(ジャックス)カードに付帯する海外旅行保険は、端的に言えば、一般カードは良く、ゴールドカードはイマイチ。
海外旅行で使うカードとしては、保険以外にも「海外利用の明細への反映が遅い」という欠点があるので、使い方が要注意なカードです。
私自身も、ジャックス横浜カードやREXカード、漢方スタイルクラブカードなど、愛用してきましたので、その経験もふまえて、上手な使い方、選び方を解説します。
Contents
まず結論
ジャックスカードの海外旅行での評価について、結論(ポイント)をまとめておきます。
ジャックスカードの良いところ
一般カードの海外旅行保険が良い(疾病治療費上限200万,傷害治療費上限200万、比較表 最高8位くらい)
年会費無料のカードもある
保険が自動付帯(海外へ行けば自動で保険が有効に)
キャッシュレス診療OK
留学にも使える(付保証明書を発行可能)
カードによってはショッピング保険付(=90日間、買ったものを補償)
ジャックスカードのダメなところ
ゴールドカードの付帯海外保険はイマイチ
海外利用の明細への反映が遅い
一枚だけでは海外旅行保険は不足
海外キャッシングは良くない
90日以上の旅行には使えない
ジャックスカードは、こんな人向け
●ジャックスカードでポイントを貯めたい人
●単身者、子供がいない夫婦、子供と一緒に海外へ行く予定が無い人
●年会費無料が好きな人(横浜カードがおすすめ)
●海外で買物や海外ATM引き出しをしない人
●短期旅行者(90日以内)
●カード付帯保険を上乗せしたい人
下にそれぞれ解説していきます!
ジャックスカード付帯の海外旅行保険は一般カードは良く、ゴールドカードはイマイチ
まずはジャックスカードに付帯する海外旅行保険について、です。ジャックスカード自体は多くの種類があるカードですが、付帯する海外旅行保険で見るとジャックスカードは2種類しかありません。
●ジャックス一般カードの海外旅行保険 ←良い
●ジャックスゴールドカードの海外旅行保険 ←イマイチ
ここで言う「一般カード」とは年会費3000円くらいまでのカード。「ゴールドカード」は年会費5000円のものだと思ってください。
ズバッと言ってしまうと、ジャックスカードは一般カードの保険は良いのでオススメですが、ゴールドカードの保険は年会費のわりにはイマイチです。↓実際に海外保険の内容を見てみましょう。
ジャックスカードの海外旅行保険内容(年会費無料も含む一般カード)
補償限度額
傷害死亡/後遺障害 2000万
傷害治療 200万(1回のケガにつき)
疾病治療 200万(1回の病気につき)
賠償責任 2000万(1回の事故につき)
携行品損害 20万 (1年でリセット)
救援者費用 200万(1年でリセット)
飛行機遅延/欠航 なし
ロストバゲージ なし
保険は自動付帯で、期間は最長90日。キャッシュレス診療可。引受保険会社は、三井住友海上。
カード付帯の海外旅行保険を選ぶとき、一番重要なのは、一番使う確率の高い、病気ケガの治療費用の補償額です。それが、ジャックス横浜カードでは、ケガ・病気治療費ともに200万円。これは年会費1万円以下の一般カードではトップクラスです。
↑この保険に当てはまるカードは、↓これらのカード
・横浜インビテーションカード(年会費無料)
・REXカード
・REXカードlite(年会費無料)
・美otopeカード
・漢方スタイルクラブカード
・リーダーズカード
・エクストリームカード
・ジャックスカード
※青文字でリンクになっているカードは、クリックすると個別解説ページへ飛びます。
ジャックスゴールドカードの海外旅行保険内容
ジャックスゴールド付帯の海外旅行保険は、あまりオススメではありません。同じ年会費5000円で保険が充実している三井住友VISAゴールドと比較するとよくわかります。
![]() ジャックスカードゴールド |
![]() 三井住友VISAゴールド |
||||
---|---|---|---|---|---|
年会費 | 5000円(税抜) | 1万円(税抜)←半額にできる | |||
国際ブランド | VISA/マスター/JCB | VISA/マスター | |||
保険付帯条件 | 自動付帯 | 自動付帯 | |||
保 険 金 限 度 額 |
本会員 | 家族 | 本会員 | 家族 | |
傷害死亡/後遺傷害 | 3000万円 | 1000万円 | 1000万円 (5000万円) |
1000万円 | |
★重要★ 傷害・疾病治療費 |
傷害 200万 疾病 200万 |
傷害 100万 疾病 100万 |
傷害 300万 疾病 300万 |
傷害 200万 疾病 200万 |
|
賠償責任 | 3000万円 | 1000万円 | 5000万円 | 2000万円 | |
携行品損害 | 20万円 | 10万円 | 50万円 | 50万円 | |
救援者費用 | 200万円 | 100万円 | 500万円 | 200万円 | |
キャッシュレス診療 | ○ | × | ○ | × | |
家族特約の範囲 | 子供○、配偶者○、同居の親○ | 子供○、配偶者×、同居の親× | |||
家族カード年会費 | 1枚目無料、2枚目以降500円 | 1枚目無料、2枚目以降千円* | |||
備考 | ( )内は旅費をカード払いしたときの補償額。三井住友ゴールドの詳細解説ページはこちら |
※1枚目の家族カードの年会費は初年度無料。翌年度以降は、家族カードでの前年のお買物利用回数が3回以上の場合無料
↑これを見てわかるように、一番重要な項目「ケガ病気の治療費用」の限度額が、かなり劣るので、ジャックスゴールドは要注意です。子供や家族の保険を重視するなら、他のカードを選ぶことをおすすめします。
ジャックスカードの保険は自動付帯
カード付帯保険の条件には二種類あります。
①自動付帯:海外へ行くと自動的に保険が有効になる
②利用付帯:海外旅行の交通費などをカード払いすると保険が有効になる
ジャックスカードは自動付帯なので、海外に行けば自動的に保険が有効になります。
ジャックスカードに、プラスどれだけで海外旅行保険は十分か?
ハッキリ言えば、ジャックスカード1枚の保険だけでは足りません。
足りるか足りないか、で問題となる項目は、
●疾病・傷害治療費用の額
●救援者費用の額
の2つです。その中でも疾病・傷害治療費用は、風邪や腹痛でも使う可能性があり、一番使う確率が高いので最重要。
その治療費用で、必要額を考えてみると、大雑把な額ですが↓こんな感じになります。
●アジア 300〜500万⇒カード2,3枚
(台湾300万、香港400万、シンガポール500万)
●ヨーロッパ 400〜600万⇒カード2,3枚
●オーストラリア 400万⇒カード2枚
●アメリカ(ハワイ含む) 1000万以上⇒カード5枚
(グアム・サイパンは400万くらい)
という感じです。なので、ジャックスカード1枚の付帯保険だけでは「アジアでも保険金が不足する心配アリ」というレベルです。ですので、他のカード付帯保険も使って上乗せする必要があるんですね。上乗せについては、↓次に、説明します。
足りない分は、他のカード付帯保険との合算でカバー
ジャックスカード1枚だけの付帯保険で足りないので、他の保険付きクレジットカードを持ち、保険を上乗せさせます。
海外旅行保険付きのクレジットカードを2枚以上持っていた場合は、それぞれの項目の補償限度額が合算されるのです!(ただし傷害死亡/後遺障害の項目は合算されない)
具体例で見てみましょう。ジャックス横浜カード(Master)と、エポスカード(VISA)を選ぶとします。
↓表で見ると、補償額はこんな感じに合算されます。
![]() ジャックス横浜カード |
![]() エポスカード |
→ | 合算結果 | |
---|---|---|---|---|
保険期間 | 90日 | 90日 | → | 90日 |
条件 | 自動付帯 | 自動付帯 | ||
傷害死亡 /後遺障害 |
2000万 | 500万 | → | 2000万 |
傷害治療 費用 |
200万 | 200万 | → | 400万 |
疾病治療 費用 |
200万 | 270万 | → | 470万 |
賠償責任 | 2000万 | 2000万 | → | 4000万 |
携行品損害 | 20万 | 20万 | → | 40万 |
救援者費用 | 200万 | 100万 | → | 300万 |
エポスカード詳細 |
※「傷害死亡/後遺障害」の項目だけは合算されず、高い金額のほうが上限になる。
↑この合算後の額なら、アジア旅行なら、一応、安心できますね。もう少し保険金があったほうが安心という人は、保険付帯カードをさらにもう一枚作っておくと、さらに上乗せになります。合算&必要な保険額に関しては、↑こういう感じで考えてください。
ちなみに、合算させる目的でカードを選ぶなら、保険が自動付帯のカードのほうが余計な手続き不要なのでラクです。
また、ジャックス横浜カードは国際ブランドがMasterなので、上乗せ用のカードはジャックスカードの国際ブランドとは別のものを選ぶのがオススメです。海外ではVISAしか使えない店や、マスターしか使えない店、などがあるからです。
年会費無料や年会費の安いカードを探しているなら、こちらの比較表から探してみてください。⇒クレジットカード海外旅行保険比較表(80種以上)
ジャックスカードの評判の良い特典
ジャックスカードの、その他の評判が良い特典を見てみましょう。
ジャックスカードはキャッシュレス診療OK
大都市限定になりますが、 ジャックスカードの付帯保険では、キャッシュレス診療が可能です。
キャッシュレス診療とは、「キャッシュレス・メディカルサービス」とか、「医療費キャッシュレスサービス」だとかの呼び名があるのですが、すべて同じです。要は、「現地の病院にかかったときに、保険会社が直接、病院に支払いをしてくれて、自分で支払いをしないで済む」というサービスです。
昔は、このサービスが無く、現地の病院では一度自分で支払いをし(立て替え払いをし)、その後、カード会社(保険会社)に領収書などと一緒に申請をする、という面倒な手続きが必要でした。その面倒な手続きが、横浜カードでは不要になる、ということです。
※最近のカード付帯保険は、ほぼ9割くらいの保険付帯カードが、キャッシュレス診療可能になっています。
ただし、キャッシュレス可能なカードでも、保険会社との提携病院がない場所(たとえば田舎など)では、キャッシュレス診療は不可能で、まず自費で立替をして、それから保険金申請手続が必要です。
留学にも使える(保険の英語の付保証明書を発行可能)
外国のビザ取得や、留学するときに、カード付帯保険の付保証明書(カードに保険が付いていることの証明書)の提出が必要な場合があります。
ジャックスカードでは、日本語&英語での付保証明書が発行できるので、留学にもバッチリ使えます。(発行手続きは1週間程度)
カードによってはショッピング保険付き(年間100万円まで)
ジャックスカードには、一般カードでもカードによっては、ショッピングプロテクション(動産総合保険)が付いています。保険金の限度額は年間100万円まで。ジャックスカードで買った商品を、購入日から90日間、盗難・破損などの偶然な事故によって被った損害を補償してくれます
(自己負担3000円。PC、スマホなどは対象外)。
たとえば、「買ったばかりのカメラを旅先で落としてこわしてしまった!」などの場合、保険金がもらえます。
ジャックスカードのイマイチなところ
ジャックスカードの短所というか、足りない部分も書いておきます。
海外利用の明細反映が遅い
ジャックスカードだけではなく、ジャックスカード全てなのですが、海外で使うクレジットカードとして致命的なデメリットが、この「海外でのカード利用の明細反映が遅い」という部分です。
クレジットカードを海外で利用すると、普通は、2,3日後には、為替レートと共にカード明細に反映されます。これによって、我々は不正利用があったかどうか確認できます。
それがジャックスカードは、海外利用だと、明細への反映に1週間〜10日以上もかかるのです。これでは不正利用された場合、かなり対応が遅れます。海外ではまだまだクレジットカード絡みの犯罪は多いです。この意味で、横浜カードは、海外のカード払いでは使いづらいカード、と言えるでしょう。
ジャックスカードでの海外キャッシングはイマイチ
現地ATMで現地通貨を引き出す「海外キャッシング」は、現地の両替所よりもお得に外貨両替できるオススメの方法。ただし、ジャックスカードで、それをやるのはおすすめできません。おすすめできない理由は3つ。①両替レートの良いマスターカードを選べない、②繰上げ返済に電話代+振込手数料がかかる、③海外ATM引き出し後の明細反映が遅い、という理由です。
海外キャッシングでお得なカードは、年会費無料のものがあるので、別に作るべきです。↓こちらでしっかり解説しています。
国際キャッシュカード徹底比較
まとめ
ポイントをまとめると、ジャックスカードは、↓こんなカードです。
●ジャックスカードでポイントを貯めたい人
●単身者、子供がいない夫婦、子供と一緒に海外へ行く予定が無い人
●年会費無料が好きな人(横浜カードがおすすめ)
●海外で買物や海外ATM引き出しをしない人
●短期旅行者(90日以内)
●カード付帯保険を上乗せしたい人
利用の注意点
海外利用の明細への反映が遅い(海外利用は細心の注意を)
一枚だけでは海外旅行保険は不足
海外キャッシングは別のカードがおすすめ
90日以上の旅行には使えない
という感じです。
おすすめは年会費無料の↓このジャックス横浜カードですね。参考にしてみてください。