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●05年5月9日(月)
統計のウソ
ある本に、面白いことが書いてありました。
世論調査で、ウソをつく方法です。
「黒人には白人と同じだけの就職のチャンスがあると思うか」
ということが、昔、アメリカで調査されたそうです。
この調査結果の時間的な推移を見ていると、
黒人の就職チャンスは、確実に増えている。
ところが、これが【ウソ】かもしれないのです。
からくりは、こうして見破られました。
先ほどの質問に答えた人に対して、同時に別の調査を行います。
別の調査とは、
【黒人に対してひどく偏見を抱いているか?】
そして、2つの調査結果をあわせて見てみると、
こんなことがわかったそうです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
黒人をものすごく毛嫌いしている白人ほど、
黒人の就職の機会は、白人と同じようにあるという
傾向が強かった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この傾向、妙に納得できませんか?
相手を嫌っている人のほうが、相手のことを知らない。
なぜなら興味がないから。考えてあげることもイヤだから。
ですから、結果として、
「黒人の就職の機会が増えている」という世論調査の裏には、
「黒人を毛嫌いしている人が増えている」という背景がある
かもしれない、ということです。
こ、コワい…
結局は、最初の調査からわかることは何も無い、ということです。
ちょっと考えてしまいました。
じゃあ、この白人と黒人を、
日本人と、日本に出稼ぎに来ている外国人なら…
中国人と、中国に働きに来ている日本人なら…
上海人と、中国の地方出身者もあるな…
などなど。
人の思い込みは、根深い。
データというのは、使い方次第なんですねぇ。
コワいです。
ちなみに、この内容が書いてあった本は、コレです。
「統計でウソをつく法」ダレル・ハフ著 講談社ブルーバックス
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