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10.教えてくれてありがとう
03年12月5日(金)
ちょうど一年前のことです。
テニス部の監督をしていた私のところに、ある生徒が来ました。
「先生、俺、もうテニス、できません」
何を急に言い出すんだコイツは!と思いました。
私の学校のテニス部は、伝統があり、練習も厳しかったんです。
つらくて辞めていく生徒も結構いました。
また、コイツもか‥‥と思い、少しイライラして、私が言いました。
「お前、『最近テニスが面白くなってきた』って、言ってたやろ?!」
「‥‥違うんです。実は‥‥入院しなきゃならないんです」
話を聞くと、昔からの持病で、あまり運動してはいけないことに
なっていたとのこと。
そして、それが今回、どうしても入院して手術しなければいけない
ようになったということでした。
苦しいときを乗り越え、実力がつき始めて、やっと面白みを感じ始めた、
そのときに、やめさせられる、つらさ。本当に可哀想でした。
その彼は、勉強面でも、かなり頑張っていました。
テニスができなくなってからは、余計勉強に力を入れていました。
私の学校からは、国公立大学に合格する生徒は、毎年数名。
本当にごく少数の生徒です。
彼はその狭き門を目指して、頑張っていました。
でも決してガリ勉タイプではなかったんです。
オシャレにも女の子にもすごく興味がある、
普通の生徒。
制服も、オシャレ用の太いズボンと、
模範的な細いズボンを使い分けるお調子者。
そんな彼が、勉強を本当に良く頑張るので、私は、
教員を辞めるとき、自分の愛用の参考書をプレゼントしたくらいです。
私が上海に来てしまってからは、たまに
「がんばってるよ」とメールが来るくらいでした。
そして5日前、久しぶりにメールが来たんです!!
「先生、○○大学(国立)に合格しました!!」
私もすごく嬉しかったです。
でも、そのときは、
「今からがスタート。大学に行って、しっかり勉強しいや!」
と、本当に頑張って欲しい彼に、ハッパをかけるつもりで、
格好つけて返しました。
すると彼は、こう返して来ました。
「もちろん大学でもついていける様に勉強は頑張るつもりです☆
まだセンターも受けるし。たくさんの人にお世話になってなんとか
受かったんで…残りの高校生活は思い出をつくりながらいきたい
感じですけどねっ(o^o^o)それでは明日テストなので
おやすみーなさいっ(^^)v」
私以上に格好良かったんです!!(笑)
ところが、今日‥‥‥
突然、他のテニス部の生徒からメールが。
「先生、○○(彼の名前)のこと聞いた?今、病院にいて‥‥」
何が起こったのか、わかりませんでした。
そして、2時間後、ある先生から、
「訃報です‥‥」
聞いたところによると、明日が彼の18歳の誕生日だったようです。
誕生日の前の日に‥‥‥
やりたいことをどんどん取り上げられて終わった人生。
どんな気持ちだったんでしょうか‥‥‥
それに対して、私自身は、やりたいことをどんどんやっている‥‥
やりたいことをやらせてもらえることって、
決して当然のことではないんですよね‥‥‥
やるチャンスがあるだけでも、ありがたく思うべきなんです。
ブツクサ文句を言いながら無駄にできる時間なんて、無いんです。
せっかく教えてくれた彼のためにも‥‥‥‥がんばらねば。
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