JALカード/club-Aカード海外旅行保険と海外旅行の注意点←海外生活者の観点から
JALカードには海外旅行保険が付帯しているカードが多数あるのですが、ここでは、子持ちの人ではない、単身者もしくは子供なし夫婦用のカードを解説します。
具体的には、↓これらのカードの海外旅行保険について、このページで解説します。
●JAL普通カード(VISA/マスター/JCB/アメックス)
●JALカードSuica(JCB)
●JALカード東急ポイントクラブQ(VISA/マスター)
●JALカードOPクレジット(JCB)
●JAL CLUB-Aカード(VISA/マスター/JCB)
●JAL CLUB-AカードSuica(JCB)
●JAL CLUB-Aカード東急ポイントクラブQ(VISA/マスター)
●JAL CLUB-AカードOPクレジット(JCB)
以上のカードの海外旅行保険と海外旅行での活用方法を見ていきます。
↓下記のカードに関しては、別ページで詳しく解説します。
学生向け
●JALカードnabi(学生専用カード)
子供も保険対象の「家族特約」付き
●JAL CLUB-Aゴールドカード(VISA/マスター/JCB/アメックス)
●JALダイナースカード
●JALプラチナカード(JCB/アメックス)
Contents
まず結論
JALカードの海外旅行での評価について、結論(ポイント)をまとめておきます。
JALカードの良いところ
JALクラブAカードか、JAL普通カードアメックスなら、海外旅行保険はまあまあのレベル(ただしランキングでは10位以下)
保険が自動付帯(海外へ行けば自動で保険が有効に)
キャッシュレス診療OK
ショッピング保険つき(JCBとアメックスのみ。買った商品への保証)
留学にも使える(外国語の付保証明書を発行可能)
JALカードのダメなところ
JAL普通カードの海外旅行保険は、一番重要な治療費用が対象外なので使えない
JALクラブAカードと、JAL普通カードアメックスも年会費が高いわりに海外保険は一般カードレベル
一枚だけでは海外旅行保険は不足
海外キャッシングは良くない
子供の保険はカバーできない(家族カードは発行可能。18歳以上はカバーできる)
90日以上の旅行には使えない
航空機遅延/欠航・ロストバゲージ保険は無い
JALカードは、こんな人向け
●単身者、子供がいない夫婦、子供と一緒に海外へ行く予定が無い人
●海外で買物やキャッシングをあまりしない人
●短期旅行者(90日以内)
●カード付帯保険を上乗せしたい人
●JALマイルを貯めたい人
下にそれぞれ解説していきます!
単身者用JALカードは海外旅行保険で見ると3種類
単身者用JALカードを海外旅行保険で種類別に分けると、3つに分かれます。海外旅行保険の内容が良い順に並べてみます。
【Aグループ:JALクラブAカード】
●JALクラブAカード(VISA/マスター/JCB)
●JALクラブAカードSuica(JCB)
●JALクラブAカード東急ポイントクラブQ(VISA/マスター)
●JALクラブAカードOPクレジット(JCB)
【Bグループ:JAL普通カードアメックス】
●JAL普通カード(VISA/マスター/JCB)
【Cグループ:JAL普通カード】
●JAL普通カード(VISA/マスター/JCB)
●JALカードSuica(JCB)
●JALカード東急ポイントクラブQ(VISA/マスター)
●JALカードOPクレジット(JCB)
JALカード/クラブAカード付帯の海外旅行保険の補償限度額
JALカード付帯の海外旅行保険の補償限度額を見てみましょう。すべてのカードで、海外旅行保険は自動付帯、保険期間は最長90日、引受保険会社は東京海上日動。当研究所のランキング1位のエポスカードと比較してみます。
※年会費は税込み額
おすすめ エポスカード |
Aグループ JAL CULB-Aカード |
Bグループ JAL 普通カードアメックス |
Cグループ JAL 普通カード |
|||
ブランド | ||||||
年会費 | 無料 | ¥10800 | ¥6480 | ¥2160 | ||
家族カード | 発行不可 | ¥3780 | ¥2700 | ¥1080 | ||
補償限度額 | 傷害死亡 | 500万 | 5000万 | (3000万) 1000万 |
1000万 | |
ケガ | 200万 | 150万 | 100万 | なし | ||
病気 | 270万 | 150万 | 100万 | なし | ||
賠償責任 | 2000万 | 2000万 | 2000万 | なし | ||
携行品 | 旅* | 20万 | 50万 | 50万 | なし | |
年 | 20万 | 100万 | 100万 | なし | ||
救援者 | 100万 | 100万 | 100万 | 100万 | ||
保険条件 | 自動付帯 | 自動付帯 | 自動付帯 | 自動付帯 | ||
キャッシュレス | ○ | ○ | ○ | ー | ||
家族特約 | なし | なし | なし | なし | ||
備考 | エポスカード詳細 |
※携行品の「旅」は「1旅行につき」の意味。
※( )内は、旅費や交通費をカード決済した場合の金額。
↑このように、JALカードの付帯保険は、年会費有料のカードのわりに、条件が悪いと言わざるを得ません。
カード付帯の海外旅行保険を選ぶとき、一番重要なのは、一番使う確率の高い、病気ケガの治療費用の補償額です。他カードと比較するときは必ずこの「病気ケガ治療費用」の項目で比較するようにしてください。
グループCのJAL普通カードに関しては、海外旅行では役立たないと思ってください。一番重要な病気ケガ治療費用が保険に入っていません。交通事故でケガをしても治療費用は出ません。
JALクラブAカードなら、病気ケガ治療費用が補償されますが、ケガ・病気治療費ともに150万円。JAL普通カードアメックスで100万円。これらは悪くはないのですが、エポスカードと比較すると見劣りしますね。
また、海外の医療費事情も考える必要があります。たとえば、私がいた10年前の上海でも病気ケガ治療費用の限度額は最低300万円は必要と言われていました。これを考えると、このJALクラブAカードや普通カードアメックスだけで足りるとは言えません。カード付帯保険は、カードを複数枚持っていると限度額を上乗せできるので、他のカードと合わせて使うことをおすすめします。(下で解説します)
JALカードの海外旅行保険の条件は自動付帯
カード付帯保険の条件には二種類あります。
①自動付帯:海外へ行くと自動的に保険が有効になる
②利用付帯:海外旅行の交通費などをカード払いすると保険が有効になる
JALカードは全て自動付帯なので、海外に行けば自動的に保険が有効になります。
JALカードに、プラスどれだけで海外旅行保険は十分か?
ハッキリ言えば、JALカード1枚の保険だけでは足りません。
足りるか足りないか、で問題となる項目は、
●疾病・傷害治療費用の額
●救援者費用の額
の2つです。その中でも疾病・傷害治療費用は、風邪や腹痛でも使う可能性があり、一番使う確率が高いので最重要。
その治療費用で、必要額を考えてみると、大雑把な額ですが↓こんな感じになります。
●アジア 300〜500万⇒カード2,3枚
(台湾300万、香港400万、シンガポール500万)
●ヨーロッパ 400〜600万⇒カード2,3枚
●オーストラリア 400万⇒カード2枚
●アメリカ(ハワイ含む) 1000万以上⇒カード5枚
(グアム・サイパンは400万くらい)
という感じです。なので、JALカード1枚の付帯保険だけでは「アジアでも保険金が不足する心配アリ」というレベルです。ですので、他のカード付帯保険も使って上乗せする必要があるんですね。上乗せについては、↓次に、説明します。
足りない分は、他のカード付帯保険との合算でカバー
JALカード1枚だけの付帯保険で足りないので、他の保険付きクレジットカードを持ち、保険を上乗せさせます。
海外旅行保険付きのクレジットカードを2枚以上持っていた場合は、それぞれの項目の補償限度額が合算されるのです!(ただし傷害死亡/後遺障害の項目は合算されない)
具体例で見てみましょう。JALクラブAカード(JCB)に、比較表1位のエポスカード(VISA)で上乗せするとします。
↓表で見ると、補償額はこんな感じに合算されます。
JALクラブAカード |
エポスカード |
→ | 合算結果 | |
---|---|---|---|---|
保険期間 | 90日 | 90日 | → | 90日 |
条件 | 自動付帯 | 自動付帯 | ||
傷害死亡 /後遺障害 |
5000万 | 500万 | → | 5000万 |
傷害治療 費用 |
150万 | 200万 | → | 350万 |
疾病治療 費用 |
150万 | 270万 | → | 420万 |
賠償責任 | 2000万 | 2000万 | → | 4000万 |
携行品損害(1旅行) | 50万 | 20万 | → | 70万 |
救援者費用 | 100万 | 100万 | → | 200万 |
エポスカード詳細 |
※「傷害死亡/後遺障害」の項目だけは合算されず、高い金額のほうが上限になる。
↑この合算後の額なら、アジア旅行なら、一応、安心できますね。もう少し保険金があったほうが安心という人は、保険付帯カードをさらにもう一枚作っておくと、さらに上乗せになります。合算&必要な保険額に関しては、↑こういう感じで考えてください。
ちなみに、合算させる目的でカードを選ぶなら、保険が自動付帯のカードのほうが余計な手続き不要なのでラクです。
また、上乗せ用のカードは、JALカードの国際ブランドとは別のものを選ぶのがオススメです。なぜなら、海外ではVISAしか使えない店や、マスターしか使えない店、などがあるからです。2枚ともVISAだと、両方カード利用できない可能性も出てくるからです。エポスカード(VISA)と組み合わせるなら、JALカードはマスターやJCBにするのがおすすめです。
JALカード以外の年会費無料や年会費の安いカードを探すなら、こちらの比較表から探してみてください。⇒クレジットカード海外旅行保険比較表(80種以上)
JALカードの評判の良い特典
JALカードの、その他の評判が良い特典を見てみましょう。
JALカードはマイルが貯まる
マイルが貯められるのがJALカードの一番のメリットです。ただし、最近は、LCC(格安航空会社)も増えたので、航空会社のマイルを貯めるメリットが薄れてきています。
また、JALマイルを貯めるとしても、JALカード以外のカードのポイントで貯め、その後JALマイルに変換したほうが得なケースも増えているので、よく検討しましょう。
JALカードはキャッシュレス診療OK
大都市限定になりますが、 JALカード付帯の海外旅行保険では、キャッシュレス診療が可能です。
キャッシュレス診療とは、「キャッシュレス・メディカルサービス」とか、「医療費キャッシュレスサービス」だとかの呼び名があるのですが、すべて同じです。要は、「現地の病院にかかったときに、保険会社が直接、病院に支払いをしてくれて、自分で支払いをしないで済む」というサービスです。
昔は、このサービスが無く、現地の病院では一度自分で支払いをし(立て替え払いをし)、その後、カード会社(保険会社)に領収書などと一緒に申請をする、という面倒な手続きが必要でした。その面倒な手続きが、JALカードでは不要になる、ということです。
※最近のカード付帯保険は、ほぼ9割くらいの保険付帯カードが、キャッシュレス診療可能になっています。
ただし、キャッシュレス可能なカードでも、保険会社との提携病院がない場所(たとえば田舎など)では、キャッシュレス診療は不可能で、まず自費で立替をして、それから保険金申請手続が必要です。
キャッシュレス診療の使い方のコツ
私も上海滞在時代や海外旅行で何度か使ったので、キャッシュレス診療の使い方のコツを少し書いておきます。それは2つ。
●体調が悪くなるかも、という段階で提携病院を聞いておく
●いきなり病院に行ってはダメ。カード会社に電話して病院を手配してもらうこと
いくら大都市でも、すべての病院が保険会社の提携病院であることはありません。もし飛び込みで病院に行ってしまうと、提携病院ではない場合、キャッシュレス診療サービスは使えないことになります。
なので、まずは提携病院がどこの病院なのか、を調べておく。提携病院が近くにないこともあるからです。そして、実際に病院に行きたくなったら、カード会社に電話して病院を予約してもらう。そうすれば確実にキャッシュレス診療をしてもらうことができます。
※以前は「健康なうちに提携病院を保険会社に聞いておくと安心ですよ」と読者さんにはアドバイスしていたのですが、2016年7月と8月の調査で、いくつかの保険会社で提携病院を教えてもらうのを断られました(涙)。理由はここでは割愛しますが、「本当に体調の悪いときしか提携病院を教えてもらえない」ということがあることは覚えておいてください。
VISA/マスター以外はショッピング保険(買物保険)付き
VISA/マスター以外のJALカードには、カードで買った商品が損害を受けた場合に補償してくれるショッピング保険(買物保険)が付いています。期間は購入から90日で、補償額は下記の通り。
●JAL普通カード(JCB)、OPクレジットには、年間100万円まで。
●JAL普通カード(アメックス)が、年間200万円まで。
●JAL CLUB-Aカード(JCB)、OPクレジットには、年間100万円まで。
この買物保険は普通レベルですね。もっと良いカードは、補償期間が180日間のカードなどもあります。(セディナカード、イオンカードなど)
留学にも使える(保険の外国語の付保証明書を発行可能)
外国のビザ取得や、留学するときに、カード付帯保険の付保証明書(カードに保険が付いていることの証明書)の提出が必要な場合があります。
JALカードでは、外国語で付保証明書が発行できるので、留学にもバッチリ使えます。(発行手続きは4週間程度と、結構時間がかかるので注意)
発行できる言語は↓以下のとおり。
●JAL普通カードと、クラブAカード
英語のみ
●JAL普通カードアメックス
英語・日本語・フランス語(その他の言語は要相談)
JALカードのイマイチなところ
JALカードの短所というか、足りない部分も書いておきます。
空港ラウンジは使えない(JAL普通カード全て・JALクラブAカード全て)
JAL普通カード全て、JALクラブAカード全てで、残念ながら空港ラウンジは使えません。空港ラウンジが使いたい人は、他カードへの申し込みが必要です。ちなみに、JALカードにはプライオリティパスも付いていません。
子供の保険はカバーできない(家族特約ナシ・家族カードは発行可)
JALカードの付帯保険は、あくまでカード会員のみが対象。家族の保険もカバーする「家族特約」は付いていません。ですので18歳未満の子供がいる場合は、有料保険に加入するか、家族特約つきカードを別に作る必要があります。(家族特約について詳しくはこちら)
18歳以上の家族なら、家族カードを作れば、カード会員と同じ保険をもらえます。ただし、JALカードの家族カードは、年会費が高く、年1000円以上必要です。(家族カードの年会費は、上の表に書いています)
航空機遅延/欠航・ロストバゲージ保険は無い
JAL普通カード全て、JALクラブAカード全てで、航空機遅延/欠航・ロストバゲージ保険はありません。これらの保険も年会費の高いカードにしか付いていないものです。これらの保険は、保険金をもらうための条件も厳しいので、私は無くてもいいんじゃないかと思っています。
「でも欲しい!」という人は、↓こちらのページを御覧ください。
航空機遅延/欠航・ロストバゲージ保険付きカード比較表(20枚以上)
JALカードでの海外キャッシングはイマイチ
現地ATMで現地通貨を引き出す「海外キャッシング」は、現地の両替所よりもお得に外貨両替できるオススメの方法。ただし、JALカードで、それをやるのはおすすめできません。おすすめできない理由は、繰上げ返済に電話代+振込手数料がかかるからです。
海外キャッシングでお得なカードは、年会費無料のものがあるので、別に作るべきです。↓こちらでしっかり解説しています。
国際キャッシュカード徹底比較
まとめ
ポイントをまとめると、JALカードは、↓こんなカードです。
●単身者、子供がいない夫婦、子供と一緒に海外へ行く予定が無い人
●海外で買物やキャッシングをあまりしない人
●短期旅行者(90日以内)
●カード付帯保険を上乗せしたい人
●JALマイルを貯めたい人
利用の注意点
JAL普通カードは要注意。一番重要な治療費用が保険対象外
一枚だけでは海外旅行保険は不足
海外キャッシングは別のカードがおすすめ
家族の保険はカバーできない(家族カードは発行可能)
90日以上の旅行には使えない
飛行機遅延/欠航・ロストバゲージ保険は無い
ショッピング保険も無い
という感じです。
JALカードは種類が多く、海外旅行保険の補償額もそれぞれ違うので、上の表で必ず確認してから申し込むようにしてくださいね。