三井住友VISAクラシックカード海外旅行保険の注意点←海外生活者の観点から
三井住友VISAクラシック(以下、三井住友クラシックと呼びます)に付帯する海外旅行保険は、一番重視すべき項目である「ケガ病気の治療費用の上限額」が50万円と少し少ないです。また、キャッシュレス診療も不可です(2019年7月から)。
でも、メリットとしては、利用付帯裏技が使える(下で解説します)ことと、「マイ・ペイすリボ」というリボ払い登録をすることで年会費無料にできること、があります。※年会費無料技は改悪され条件が厳しくなりました(涙)。
必要な人には非常に役立つカードです。下に、詳しく解説していきます。
※ここは「三井住友VISAクラシック」の解説ページです。カード名に「A」が付く「三井住友VISAクラシックA」は全く保険内容が異なり、別ページで解説しています。⇒三井住友VISAクラシックAの解説記事
Contents
まず結論
三井住友クラシックの評価について、結論(ポイント)をまとめておきます。
三井住友クラシックの良いところ
利用付帯だが利用付帯裏技可能(3ヶ月以上の旅行で役立つ)
●リボ登録で簡単に年会費無料←改悪。
※年会費無料条件の改悪の詳細はこちら。
キャッシュレス診療OK(またOKに戻りました!)
カード発行まで早い(最短3営業日)
顔写真付カード可能(=盗難に強い)
留学にも使える(英文の付保証明書を発行可能)
ショッピング保険付き(カードで買った商品に保証)
三井住友クラシックの悪いところ
一枚だけでは海外旅行保険は不足
空港ラウンジは使えない
海外キャッシングは良くない
家族の保険はカバーできない(18歳以上なら家族カードでカバー可能)
飛行機遅延/欠航・ロストバゲージ保険は無い
三井住友クラシックは、こんな人向け
●単身者、子供がいない夫婦、子供と一緒に海外へ行く予定が無い人
●3ヶ月以上の留学、長期海外旅行をする人
●カード付帯保険を上乗せしたい人
●不正利用されづらい顔写真付きカードが欲しい人
海外旅行保険の補償限度額
傷害死亡/後遺障害 2000万
傷害治療 50万(1回のケガにつき)
疾病治療 50万(1回の病気につき)
賠償責任 2000万(1回の事故につき)
携行品損害 15万 (1年でリセット)
救援者費用 100万(1年でリセット)
飛行機遅延/欠航 なし
ロストバゲージ なし
(引受保険会社は三井住友海上)
カード付帯の海外旅行保険を選ぶとき、一番重要なのは、一番使う確率の高い「病気ケガの治療費用の補償額」です。それが三井住友クラシックでは50万円と少なめ。自動付帯の年会費無料カードなら200万円の補償があるカードは他にありますし、利用付帯の年会費無料カードでも100万円の補償があるカードもあります。
ただ、利用付帯裏技が使えるカード自体が少ないので、治療費用50万円でも悪いとは言えません。他のカードと合わせて使うには良いカードと言えます。
三井住友クラシックの保険の条件は利用付帯。保険を有効にするために交通費などのカード払いが必要
利用付帯について少し丁寧に説明しておきます。
カード付帯保険の条件には二種類あります。
①自動付帯:海外へ行くと自動的に保険が有効になる
②利用付帯:海外旅行の交通費などをカード払いすると保険が有効になる
三井住友クラシックは利用付帯です。そのため、保険を有効にさせるためにパックツアー代金や交通費などのカード支払いが必要です。
↑この利用付帯、一見、面倒なのですが、実は、別の部分でメリットがあります。↓こちらです。
【利用付帯裏技】3ヶ月以上の旅行でも使える
利用付帯裏技を使うと、通常3ヶ月が限度のカード付帯保険で、半年や1年カバーすることが可能になります。
どういうことか、というと、利用付帯カードで保険を有効にする場合、下記1〜3のどれかを満たす必要があります。
2.日本出国前に宿泊を伴う募集型企画旅行の旅行代金を当該カードで支払った場合
3.日本出国後に公共交通乗用具の利用代金をはじめて当該カードで支払った場合
(三井住友VISAカード公式サイトより)
↑これの3を利用します。つまり、海外へ行ってから公共交通機関をカード支払いする。すると、カード支払いしたときから3ヶ月間、保険が有効になります。
①最初の3ヶ月は、他のカード付帯保険でカバーし、
②次の3ヶ月を、利用付帯裏技のカードでカバーする、
というわけです。3ヶ月以上の長期で留学や海外赴任などをする人には、非常に有り難い技です。それが、三井住友VISAの「クラッシックカード」では可能なのです。
ただし、利用上の注意点もあります。もっと知りたい方は、↓こちらの記事でどうぞ。
三井住友クラシックに、プラスどれだけで海外旅行保険は十分か?
ハッキリ言えば、三井住友クラシック1枚の保険だけでは足りません。
足りるか足りないか、で問題となる項目は、
●疾病・傷害治療費用の額
●救援者費用の額
の2つです。その中でも治療費用は、風邪や腹痛でも使う可能性があり、一番使う確率が高いので最重要。
その治療費用で、必要額を考えてみると、大雑把な額ですが↓こんな感じになります。
●アジア 300〜500万⇒カード2,3枚
(台湾300万、香港400万、シンガポール500万)
●ヨーロッパ 400〜600万⇒カード2,3枚
●オーストラリア 400万⇒カード2枚
●アメリカ(ハワイ含む) 1000万以上⇒カード5枚
(グアム・サイパンは400万くらい)
という感じです。なので、三井住友クラシック1枚の付帯保険だけでは「アジアでも保険金が不足する心配アリ」というレベルなのです。ですので、他のカード付帯保険も使って上乗せする必要があるんですね。上乗せについては、↓次、説明します。
足りない分は、他のカード付帯保険との合算でカバー
三井住友クラシック1枚だけの付帯保険で足りないので、他の保険付きクレジットカードを持ち、保険を上乗せさせます。
海外旅行保険付きのクレジットカードを2枚以上持っていた場合は、それぞれの項目の補償限度額が合算されるのです!(ただし傷害死亡/後遺障害の項目は合算されない)
具体例で見てみましょう。同じ利用付帯裏技可能カードで考えてます。三井住友クラシックに、リクルートカードを2枚プラスした例で見てみましょう(リクルートカードは1人で2枚発行できます)。
本人補償額(3枚所持のとき。同じ期間に保険を有効にした場合)
三井住友クラシック |
リクルートカード VISA/マスター |
リクルートカード JCB |
→ | 合算結果 | |
---|---|---|---|---|---|
保険期間 | 90日 | 90日 | 90日 | → | 90日 |
条件 | 利用付帯 | 利用付帯 | 利用付帯 | ||
傷害死亡 /後遺障害 |
2000万 | 2000万 | 2000万 | → | 2000万 |
傷害治療 費用 |
50万 | 100万 | 100万 | → | 250万 |
疾病治療 費用 |
50万 | 100万 | 100万 | → | 250万 |
賠償責任 | 2000万 | 2000万 | 2000万 | → | 6000万 |
携行品損害 | 15万 | 20万 | 20万 | → | 55万 |
救援者費用 | 100万 | 100万 | 100万 | → | 300万 |
詳細ページ | 詳細 | 詳細 | → |
※「傷害死亡/後遺障害」の項目だけは合算されず、高い金額のほうが上限になる。
↑この合算後の額なら、アジア旅行でも少し少ないんですが、一応、納得できる額ですね。もう少し保険金があったほうが安心という人は、保険付帯カードをさらにもう一枚作っておくと、さらに上乗せになります。合算&必要な保険額に関しては、こういう感じで考えてください。
三井住友クラシックは、国際ブランドをVISAかマスターで選べます。例えば、リクルートカードでJCBとVISAを作ったとすると、三井住友クラシックはマスターを選んでおくと、海外で使える幅が広がります。なぜなら、海外ではVISAしか使えない店や、マスターしか使えない店、などがあるからです。
合算するカードは、別に他のカードでも構いません。年会費無料や年会費の安いカードを探しているなら、こちらの比較表から探してみてください(利用付帯裏技可能カードだけの絞り込みもできます)。⇒クレジットカード海外旅行保険比較表(80種以上)
三井住友クラシックのその他の評判の良い特典
三井住友クラシックの、その他の評判が良い特典を見てみましょう。
年会費を無料にする技 ←改悪!!
三井住友VISAカードには、実は年会費無料にする技があります。それは、すべてをリボ払いにする「マイ・ペイすリボ」に設定し、年に1回買物利用することです。↓これらの三井住友カードは全て年会費を無料にできます。
●クラシックAカード ⇒年会費1500円が無料に
●アミティエカード ⇒年会費1250円が無料に
●クラシックカード ⇒年会費1250円が無料に
でも、リボ払いだと利息がたくさんかかるのが心配ですよね。それが、実は、この三井住友カードには、リボ払い手数料を回避する技があるのです。
・・・と書いていたのですが、残念なが改悪されてしまいました。今後は、「年に1回買物利用」だけではダメで、「年に1回、リボ払手数料の支払い」が必要になります。
具体的には、「マイ・ペイすリボに設定し、1年に1回以上、リボ払い手数料が発生する額以上(最低でも1万円より上)をカード払い」してやっと年会費無料になります。
年会費無料条件の改悪に関しては、こちらで解説しています。⇒[改悪]三井住友VISAカードの年会費無料の条件がリボ払い必須に(涙)
キャッシュレス診療OK
※2019年7月ごろに、一度、「三井住友クラシックはキャッシュレス診療不可」の案内が出たのですが、その後、撤回された模様です!
大都市限定になりますが、三井住友クラシックでは、キャッシュレス診療が可能です。
キャッシュレス診療とは、キャッシュレス・メディカルサービスとか、医療費キャッシュレスサービスだとか呼ばれるのですが、要は、「現地の病院にかかったときに、保険会社が直接、病院に支払いをしてくれて、自分で支払いをしないで済む」というサービスです。
昔は、このサービスが無く、現地の病院では一度自分で支払いをし(立て替え払いをし)、その後、カード会社(保険会社)に領収書などと一緒に申請をする、という面倒な手続きが必要でした。その面倒な手続きが、三井住友クラシックでは不要になる、ということです。
※最近のカード付帯保険は、ほぼ9割くらいの保険付帯カードが、キャッシュレス診療可能になっています。
ただし、キャッシュレス可能なカードでも、保険会社との提携病院がない場所(たとえば田舎など)では、キャッシュレス診療は不可能で、まず自費で立替をして、それから保険金申請手続が必要です。
キャッシュレス診療の使い方のコツ
私も上海滞在時代や海外旅行で何度か使ったので、キャッシュレス診療の使い方のコツを少し書いておきます。それは3つ。
●体調が悪くなるかも、という段階で提携病院を聞いておく
●いきなり病院に行ってはダメ。カード会社に電話して病院を手配してもらうこと
●土日祝、年末年始など、カード会社が休みの日はキャッシュレス不可
いくら大都市でも、すべての病院が保険会社の提携病院であることはありません。もし飛び込みで病院に行ってしまうと、提携病院ではない場合、キャッシュレス診療サービスは使えないことになります。
なので、まずは提携病院がどこの病院なのか、を調べておく。提携病院が近くにないこともあるからです。そして、実際に病院に行きたくなったら、カード会社に電話して病院を予約してもらう。そうすれば確実にキャッシュレス診療をしてもらうことができます。
※以前は「健康なうちに提携病院を保険会社に聞いておくと安心ですよ」と読者さんにはアドバイスしていたのですが、2016年7月と8月の調査で、いくつかの保険会社で提携病院を教えてもらうのを断られました(涙)。理由はここでは割愛しますが、「本当に体調の悪いときしか提携病院を教えてもらえない」ということがあることは覚えておいてください。
そして、3つ目のポイント、「土日祝、年末年始などはキャッシュレス診療不可」について。キャッシュレス診療のためには、保険会社は「その人がカードの持ち主だ」という確認が必要です(上の図の①')。普通は、その確認は1、2時間で済みます。ですが土日祝などはカード会社が休みで確認が取れません。だからキャッシュレス不可となってしまうのです。覚えておきましょう。
三井住友クラシックの保険は留学にも使える(保険の付保証明書を発行可能)
外国のビザ取得や、留学するときに、カード付帯保険の付保証明書(カードに保険が付いていることの証明書)の提出が必要な場合があります。
三井住友カードでは、英語の付保証明書も発行できるので、留学にもバッチリ使えます。
ショッピング保険は年間100万円まで。条件あり
三井住友クラシックには、「お買物安心保険」というショッピング保険(動産総合保険)も付いています。保険金の限度額は年間100万円まで。三井住友クラシックでカード払いした商品を、購入日から90日間、盗難・破損などの偶然な事故によって被った損害を補償してくれます(自己負担3000円。スマホは対象外)。
たとえば、「買ったばかりのカメラを旅先で落としてこわしてしまった!」などの場合、保険金がもらえます。
ただし、三井住友クラシックのショッピング保険には条件があり、「リボ払い・分割払い(3回以上)のご利用のみ対象」となっているのが少し残念です。
三井住友クラシックのイマイチなところ
三井住友クラシックの短所というか、足りない部分も書いておきます。
空港ラウンジは使えない
三井住友クラシックは、年会費無料の一般カードなので、残念ながら空港ラウンジは使えません。空港ラウンジが使いたい人は、年会費1万円以上のカードに申し込んでください。ちなみに、三井住友クラシックにはプライオリティパスも付いていません。
子供の保険はカバーできない(家族特約ナシ・家族カードは発行可)
三井住友クラシックの付帯保険は、あくまでカード会員のみが対象。家族の保険もカバーする「家族特約」は付いていません。ですので18歳未満の子供がいる場合は、有料保険に加入するか、家族特約つきカードを別に作る必要があります。(家族特約について詳しくはこちら)
ただし、三井住友クラシックは、家族カードを年400円(税別)で発行できるので、18歳以上の家族は、家族カードを作れば、カード会員と同じ保険をもらえます。また、家族カードに関しては、女性じゃなくても作れます。
飛行機遅延/欠航・ロストバゲージ保険は無い
三井住友クラシックの付帯保険には、飛行機遅延/欠航・ロストバゲージ保険はありません。これらの保険も有料カードにしか付いていないものです。これらの保険は、保険金をもらうための条件も厳しいので、私は無くてもいいんじゃないかと思っています。
「でも欲しい!」という人は、↓こちらのページを御覧ください。
飛行機欠航/遅延・ロストバゲージ保険付きカード比較表(20枚以上)
三井住友クラシックでの海外キャッシングはイマイチ
現地ATMで現地通貨を引き出す「海外キャッシング」は、現地の両替所よりもお得に外貨両替できるオススメの方法。ただし、三井住友クラシックで、それをやるのはおすすめできません。おすすめできない理由は1つ。「繰上げ返済に電話代+振込手数料がかかる」という理由です。お得に外貨両替するには繰上げ返済は必須です。
海外キャッシングでお得なカードは、年会費無料のものがあるので、別に作るべきです。↓こちらの別サイトでしっかり解説しています。
国際キャッシュカード徹底比較
まとめ
ポイントをまとめると、三井住友クラシックは、↓こんなカードです。
●単身者、子供がいない夫婦、子供と一緒に海外へ行く予定が無い人
●3ヶ月以上の留学、長期海外旅行をする人
●カード付帯保険を上乗せしたい人
●不正利用されづらい顔写真付きカードが欲しい人
利用の注意点
一枚だけでは海外旅行保険は不足
海外キャッシングは良くない
家族の保険はカバーできない(18歳以上なら家族カードでカバー可能)
飛行機遅延/欠航・ロストバゲージ保険は無い
という感じです。
3ヶ月以上の長期旅行を計画している人で、保険の上乗せを考えている人には役立つカードと言えます。ぜひ、上手に使いこなしてください。
他の三井住友カードとの比較を見たい方は、↓こちらの記事をどうぞ。