昨日とは打って変わって、今日は、真面目な話題です(笑)。5月の日経新聞で「人口、50年後に1億人維持 政府が少子化対応で初目標」という記事があり、それを読んだ外国人の意見に、いろいろと面白く鋭い意見があったのでご紹介します。(意見はJapanTodayさんより)
その日経新聞のニュースは、要約すると、↓こんな感じ。
日本の現在の人口は1億2700万人。しかし今後50年で急激に減少し、8700万人にまで落ち込むとの見方がある。そこで、政府は「2060年に1億人を達成する」という提言を出した。政府が人口維持の明確な目標を打ち出すのは初。『選択する未来』委員会の報告書では、2012年の出生率1.41が、2030年に2.07に回復すれば、この目標を達成可能としている。目標達成のため、育児支援を手厚くすること、また高齢者の就労を長期化することを施策に挙げている。
外国人の主だった反応としては、↓このような厳しい意見が大半でした。
●16年間で47%も出生率を上げるのは無理。
●フランスのように、出生率上昇に成功した国もあるけど、16年で47%の上昇は厳しいよ。
●言うだけじゃ甘い。日本政府が、今アクションを起こさないと実現しない。
●たぶん、10年後も同じようなこと言ってるよ。
ただ、それらの厳しい意見の中にも、具体的に、日本の状況を心配&指摘してくれている外国人の意見があり、役立つと感じるものがあったので、ご紹介します。
日本のシステムがダメ?女性支援が重要という意見
●日本人の若者の話を聞いてみたらいい。若者は給料のことばかり心配してるよ。親や祖父母の時代は、大人の男1人の稼ぎで妻と2人の子どもの4人家族をまかなえた。今では男が6〜8割、女が4〜2割を稼いで、やっと家計が回るくらい。仕事ばかりで家族のことまで、なかなか手が回らないのだ。
●今10〜20代の男女の意識を変えなきゃいけないってことだろ。無理だね。現状に慣れきって、今のライフスタイルを変えようという気がない。日本はもうターニングポイントを通過してしまったよ。
●日本が持ち直すためには、男性と、一部の女性に対する規制を緩和することではないかな。出産後もフルタイムやパートタイムで働きたい女性には選択肢を与えるべきだ。30歳やそこらでキャリア断絶というのはおかしい。そして、高齢者にも、長く働きたいという意思があるならそうさせたらいい。長時間働く男性のためには給与体系を改善し、十分な休息を取って回復させる。12時間働く、休日出勤もあるといったら、子どもを持とうという気にもならない。仕事の奴隷になる必要はない。みんなで休めばいい。でも、日本でこのような変革は難しく、可能性は限りなく低いだろう。
年功序列・終身雇用をいつまでも夢見ているからダメという意見
●これって、もう日本のシステム的な問題だよ。日本政府は、本当は、急な変化や、根本的な変化を望んでいないんじゃない?僕は日本に6年住んでいるけど、幸運にも日本で割と良い給料をもらうことができてる。でも、それでも、子供を作り、育て、マイホームを持ち…という余裕があるかというと、かなり厳しい。だからって、住む場所を賃貸にしたとしても、住宅ローンの返済よりも家賃はずっと高いし…。さらに、バカげた長時間労働、不十分な子育て支援、女性が働くことへの偏見などなど。日本のシステムは、住宅補助などの福利厚生を完備した大企業を中心にできてるんだよ。年功序列、終身雇用のね。でも、今、それを欲しがっても無理。手に入らない過去の幽霊でしかない…。政治的にも社会的にも、大幅に変化するしかないんだよ。
高齢者重視を見なおせ!という意見
●気づいている人もいると思うんだけど、東アジアの文化は、年上の人を重視するよね。若い人たちは子供をもっと重要視すべきなのに、政府は高齢者の世話ばかりしてる。まあ、高齢者が選挙の主導権を握っちゃってるから、当然なんだけどさ。
●年金制度の穴と70歳定年については触れていない。日本の製造業が市場に見放され、働き手も高齢化して減っていき、年金制度は、もはや現状に見合っていない、高齢者施設は不十分、外国人労働者の必要性も理解されてないし移民規制も緩和されない。50年後には高齢者と、衰退した企業や経済が待ち受けているよ。
逆に、人口減でも良いんじゃないか、という意見
●どうして1億人にこだわるのかな。日本は5000万人になっても、住み良い場所だと思うよ。ただ「1億人に留める」の『留める』という言葉がキーワードなんだろうね。だって、女性に子どもを平均2人産ませられなければ、日本はどんどん人口減していくわけだから。
●質より量を優先するのか。どんな社会になるんだ。ひどいSF映画みたいだな。
まとめ
外国人の皆さん、よく見てますよね。どの外国人の指摘も、かなり的を得ているように感じました。外国人に、ここまで心配されている日本。日本全体が変わるか、このまま小さくなっていくか。「変化を避けているばかりではダメ」というのは、外国人のみなさんの目にも明らかなようです。